日の記し ★ヾ(´・ω・`)ノ.: 。☆彡 ・☆

社会の底辺で生きてきて68歳になりました。後悔ばかりの人生でしたが、それもしかたがないことです。〈初期仏教〉を信じているので、なんとか暮らしています。訪問していただいて感謝しています。ありがとう。<m(__)m>

『ミステリの書き方』

 おはようございます。

 朝晩は冷えますが昼間は暖かい。日が照って青空で、どこまでも光が透明でまぶしくて、輝いていて、秋です。鳥が銀杏の木で鳴いています。

 

 

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 相変わらず〈小説の書き方本〉を、記憶に残るよう、もう一度読んでまとめていきます。まだ本は40冊ぐらいあるのです。半分は〈シナリオの書き方本〉です。今週から週に3冊ペースで読んでいきます。

  

 この本は『ミステリの書き方』ですが、共通して小説を書くのに役立つだろうことを抜き出してみます。 

ミステリの書き方

ミステリの書き方

 

 目次

ミステリとは何か?

 1 ミステリの基本は探偵小説である

   容疑者  探偵  ワトソン  手がかり  殺人  密室

   ストーリーと形式 

 2 現代におけるヴァリエーション

   倒叙型  背景型  ハウダニット型  ホワイダニット型  推理小説

   犯罪小説

3 アメリカで発達したミステリの形式

   私立探偵小説  警察小説  サスペンス小説

4 周辺部のミステリ

   ユーモア・ミステリ  ファルス・ミステリ  ロマンティック・サスペンス

   歴史ミステリ  回想的ミステリ  現実の犯罪にもとづいたミステリ

   短編ミステリ 

5 書き出し、進め方、終わらせ方

   書きはじめるには  進め方  終わらせ方  作家としての生活

6 最後の言葉

解説

 

 

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ミステリとは何か

 ミステリ小説はエンターテインメントである。純文学と違って、作家の言いたいことよりも読者を優先する小説だ。犯罪や悪は人間の本質から生まれるもので、逃れられない。社会のルールを破る犯罪にはそれに対抗するものが必要で、それが警察や探偵だ。ミステリ小説は犯罪や悪を解決する経過を描いている。

 

 ミステリはアメリカの1930年代に生まれたのですが、1は探偵小説の概要について述べています。そこから普通の小説を書くときにも役立つだろう考え方をピックアップしてみました。

 

容疑者の範囲を限定する

 「……がこの時間にここにいるのを知っている人物だけが彼を殺すことが可能であった」といったようなことを書くことだ。そういう言葉を探偵の口からはっきり言わせるか、作者自身がきっぱりと言明すれば、読者は無意識のうちに、これがこのゲームの枠だと了解し、その枠組みのなかに身をゆだねていく。(P20)

  と書かれてあるんですが、これは探偵小説でなくても使える手法でしょう。登場人物の口から「この問題や事件の意味はこういうことで、こう解決しなければならない」というような枠組みを作る。

殺人のさまざまな動機。

 自己防衛  地位の防衛  恐怖  愛する者を守るため  主義  復讐

 権力への欲求  過去の屈辱の償い  性的な快楽の邪魔者を取り除くため

 嫉妬  世間のはなをあかすため

  これは犯罪小説だけでなく、すべての小説の登場人物の動機になることです。

容疑者は型通りの人物がいい。

 ……つまり、彼らについてはほとんど表面的な描写しかせず、きわだった特徴をひとつだけあたえるのだ。……主人公の探偵だけは深みのある人間に見えたほうがいい。読者に、探偵に共感を抱かせなければいけないし、……(P23)

  これは敵役の登場人物を造形するときに役に立ちます。主人公は読者の共感を呼ぶような人物にする。

 

 

……事件は、探偵が、偶然の力など借りずに、自分で解決しなければならない。最後の瞬間に、不意に登場した人物が解決するのでもこまる。読者はあなたが物語の中心に座らせた人物に同調しているのだから、読者の満足のために、その人物が最終的な解決法を編みださなくてはならない。(P28)

 プロットの作り方の基本です。 

 

 ポーが提示したもの、主人公についていく人物

  ワトソンはコナン・ドイルが最初の考案者ではない。

 ポーは、匿名の、やや人を信じやすい語り手につねに主人公のあとをついていかせ、適当な箇所で、ある程度の知性を持った読者なら訊きたがるような質問をさせた。これがワトソンの原型だ。(P30)

 

手がかり

 作者は、犯人の正体を暴露するのに必要な客観的事実をすべて示さねばならない。

 

 物質的な手がかり、小道具。ごく、さりげなく見せる。

 

事件の状況

 主要な登場人物のそれぞれの目から、現場の状況をすべて書くこと。

 登場人物のひとりひとりについて小スケッチみたいなものを書いておく。

 

謎解き

 コツは逆から考えることにある。まず方法を工夫し、そのあとでストーリーを展開させていく。

 

            *            *

 

 は、ストーリーを語る形式のことが書いてあります。

  • 始めに事件が起こってそれを探求していく倒叙
  • 謎解きよりも背景に重点を置く背景型
  • 犯人が明らかになっていて、その手口を解明していくハウダニット
  • 人物描写に重点を置く推理小説や、犯人の生い立ちや環境に力点を置く犯罪小説

 何を中心に語るか、というのは重要なことです。

 

……選んだストーリーは、自分が書きたいと思っているテーマを映しだすものでなければならない。頭のなかで考えがまとまらない時点では、〈テーマは何か?〉と絶えず自問する。そしてさらに〈ストーリーの中心となるべき行為は何か?〉とたずねる。(P86)

 

アクション・シーン

 大切なのは自分を抑制すること。細部の描写が正確で信頼性あり、誇張した形容詞を使わずに、簡潔で平明な表現であること。――P92

 

会話

 探偵には、容疑者と会話を交わしながら相手の性格を深く探らせるといい。――P93

 

犯罪小説

 犯罪小説では、あなたが書きたいと思う登場人物からプロットが生まれてくる。結末からストーリーを考える必要もない。端的に言えば、あなたが主人公にすえたいと考えている人物が殺人を犯すといった犯罪の状況を決め、そこから順を追って書いていけばいい。(P96)

 

もしあなたが傑作をものにし、エンタテインメントではなくなってしまったとしたらどうだろう? まあ、わたしがひとつだけ指摘できることは、年がら年中、純文学的名作を求めている読者など世間にはほとんどいないということだ。人はドストエフスキーだけでは生きられない。たまには軽いもの、たとえばジュリアン・シモンズのようなものなどが受け入れられるだけでなく、むしろ大歓迎されるのだ。(P98)

 この言葉は深くないですか?

 

  • 探偵は社会をちょっと下から見る人間であるべきだ。
  • 探偵は、読者が身近に感じる人物にする必要がある。
  • 警察小説を書く場合、ひとりの人間の活動によって解決されることはない。いろいろな視点でストーリーを語っていくのがよい。
  • サスペンス小説を書くにあたってのキー・ポイントは、サスペンスに富んだ状況を間断なく作り出すこと。……状況が積み重ねられて次第に大きくふくらみながら、ストーリーを押しすすめるように心がけなければならない。――P128

 

 ここではユーモア・ミステリとファルス・ミステリ、ロマンティック・サスペンス、

歴史ミステリ、回想的ミステリ、現実の犯罪にもとづいたミステリ、短編ミステリ 

について定義し、執筆する際の注意点を述べています。専門的な話なので、割愛します。

 

 【書き出し方】

  • ひたすら強く執筆の意欲う持ちつづけていれば、見たり聞いたり行ったりするすべてのことが、ストーリーすなわち作品を生みだすきっかけとなる。――P196
  • その題材のどこにそんなに興味を引かれているのか自問する。
  • 登場人物こそ、現実世界の映し絵の構成材料なのだ。
  • 名前がつくと、登場人物は動き出す。
  • それぞれの登場人物に特徴を持たせる。そうすればこの人物が場面では、その特徴に言及しさえすれば、あるいは遠回しに触れるだけで、読者の頭の中にその人物が生き生きと思い出される。――P202

 

創作ノートの作り方

  1. それぞれの登場人に1ないし2ページのキャラ設定を書く。
  2. それぞれの章の構成に1ページ。
  3. ノートの終わりに、ストーリーを場面に分けた表を作成しておく。
  4. ノートの表紙の裏には、登場人物の名前をリストアップしておく。
  5. 最初の2、3ページのどこかに、大きな字で、テーマがなんであるのかう書いておく。

 そうした準備ができたら、どんなに多くのページをさいてでも、基本となるプロットを書きつける。より詳細な部分が見えてきたら、もう一度プロットを書き直す。

 

 次に、何ページでも必要なだけ使って、ストーリー上の事件を簡潔に書き出していく――ストーリー・ラインとなる。

 

 自分のなかでまだ解決できていない箇所に来たときは、余白を利用して自分自身と討論を行う。賛成、反対の二つの蘭を作って、自分の考えを整理したり、ただ、「なぜ、○○なのか?」という質問だけを書きつけることもある。たいがい存在意識が答えを出してくれる。――P206

 

プロット

 それぞれの事件の原因を強調しながら立案していく。

 種を蒔くこともしてとく。(伏線として暗示する)

 

最初の一行が大事。

 1ページ目で、読者がどれだけ吸収できるかを考えて書く。多くのことを書き過ぎない。

 

 1章には緊張した出来事を入れる。かなり強い葛藤で、人間的興味を掻き立てるものであるべきだ。

 

【進め方】

 劇を観るのと同じように、場面に分けて考えることが大事。

 語りに頼らなければならない部分も、そこをドラマとして書けないか、考える。

 

 静的な場面と激しいドラマとのメリハリを作る。静的な場面では背景についての情報を埋め込む。

 

 テンポが大事。

 大きな事件を書くときに、性急過ぎるのは間違いであり、些細な要素でぐずつくのも誤りである。

 

 衝撃的なこともそれまで伏線が張ってあると、読者は「ああ、なるほど、当然起こるべくして起こったのだ」と思う。

 読者がどう予測するかを〈予測〉して、みんなの予測とは違うふうに物語を展開させる。

 

 説明部分を退屈させない方法は、アクションシーンと合体させる、または、登場人物に何か簡単な仕事をさせながら説明させる。

 

 時の経過を伝える最も重要な手法は、時が経過したと作者自身が完全に思い込むこと。

 

 ストーリーが、とくにエンタテイメントの場合は、もっとも有効な武器である。ストーリーの展開は、読者にいろいろなことを伝えようとするときに邪魔になるかもしれないが、ストーリーこそ、まず最初にじっくりと考えておかなければならない。作者は、語るべきことをストーリーの形で、継続的に起こる事件という形式で語らなければならない。――P221

 

 

【終わらせ方】

  • 登場人物はその後も生き続けていくのだという印象を残す。
  • 「理想的なミステリとは、たとえ最終部がなくなっても読まれる作品だ」(レイモンド・チャンドラー

 

 

 出版にこぎつけるための方法が書かれています。イギリスの出版事情が説明されています。

 

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「ミステリの書き方」なので、ミステリを書こうとする人にとっては貴重な話が詰まっている本ですが、普通に小説を書こうとする人にも役立つ。その部分をまとめてみました。けっきょく著者も言っているように、小説はストーリーで読ませる。事件が起きて……どうなっていくのか、ということなのです。

 作家になるには想像力と人間を観る目が必要だ、とわかりました。作家という職業は魅力的ですが、傍で見るのとは違って、自分で組み立てていくたいへんな仕事なのだと思いました。それを楽しむ人にしかできない。尊敬します。

 

 

 

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     読んでいただいてありがとうございました。 

     誰もが穏やかで、幸せでありますように。