日の記し ★ヾ(´・ω・`)ノ.: 。☆彡 ・☆

社会の底辺で生きてきて68歳になりました。後悔ばかりの人生でしたが、それもしかたがないことです。〈初期仏教〉を信じているので、なんとか暮らしています。訪問していただいて感謝しています。ありがとう。<m(__)m>

『小説家になる!2』第二部まとめ

 おはようございます。

 10月も下旬ですね、秋が深まりました。こんなところに……という場所でコオロギの鳴き声が聴こえます。仲間を呼んでいるのでしょう。立ち止まって耳を傾けていると癒されます。心にしみる。

 台風24号の影響があったのでしょうか、いつも通る公園の横のトウカエデが切られ抜かれています。新しい樹が植えられるのでしょうが、ちょっと寂しい風景です。

 またお酒を節制しています。

 何かとまともに向かい合う、っていうことをしないと、逃げてばかりじゃ辛くなる。自分でわかる心のことですから。

 

 

 

 

 ………………     ………………     ………………     ………………

 

  第二部を読みます。

 目次

はじめに

第一部 小説のメカニズムを解剖する

第1講 物語の構造分析

ジャン=イヴ・タディエ『二十世紀の文学批評』 ロラン・バルト記号学の原理』 ウラジミ・プロップ『昔話の形態学

  • ロラン・バルトの四つの二項対立/自己表現は文化に規定される/プロップの四大法則と三十一の機能/昔話に学ぶ「加害」のかたち/物語のパターンをふまえ豊かな小説をめざす

第2講 神話に学ぶ

オイディウス『転身物語』 高津春繁『ギリシアローマ神話辞典』

第3講 レトリックを習得する

ピエール・ド・マンディアルグ『催眠術師』

  • 小説を豊かにするレトリックの技法/さまざまなレトリックの具体例/水と火の対比の物語

第4講 海外ミステリーに学ぶ

パトリシア・ハイスミス『妻を殺したかった男』『ふくろうの叫び』

  • 導入部のサスペンスの巧みさ/アクション描写の切れ味/会話のリアリティ/物語の設定から新たな局面を展開する/物語世界を広げる/物語の意外性/謎・アイディア・ひねり

第5講 黒豹を殺せ――「文学」することのかっこ悪さについて

門田泰明『黒豹ダブルダウン』

  • 反面教師から学ぶ小説作法/虚構性と「文学」性に疑いを持つ/自分が書いた言葉に自覚的になる/厳しい懐疑の目を持って小説を読む

第6講 ミーズ・アン・ナビームの技法

丸山健二『夏の流れ』

  • 的確な文章と衝撃的なモチーフ/読者の興味の引きこみ方/会話の潔い書き方/感覚描写と行動描写/濃密な性格造形

第7講 マンガに学ぶ

楳図かずお『わたしは慎吾』 宮崎駿風の谷のナウシカ』 業田良家自虐の詩

  • 二十世紀に発達した二つの芸術ジャンル/緊密な構成力・特異な語りの構造/リアルな歴史意識/人間性の多様な描き分け

第二部 名作に学ぶ小説の技巧(テクニック)

第8講 三島由紀夫の『月』を読む

三島由紀夫『月』『詩を書く少年』

  • 読者を引きこむ書きだしの技巧/登場人物の口調と描写/矛盾形容法というレトリック/比喩の使い方/作家として持つべき視点

第9講 岡本かの子の『鮨』を読む

岡本かの子『鮨』『食魔』

  • 模範的な冒頭のつくり方/テーマを浮き彫りにする人物造形/場面転換の方法/印象的なエンディングのつくり方

第10講 川端康成の『眠れる美女』を読む

川端康成眠れる美女

  • 描写で勝負する/主題の取り入れ方/色彩の点描/読後感を厚くする細部/描写のダイナミックな効果

第11講 室生犀星の『蜜のあわれ』を読む

室生犀星蜜のあわれ/われはうたえどもやぶれかぶれ』

  • 比喩を使うテクニック/対話だけで成立している長編小説/室生犀星の文学的出発点

第12講 フロベールを読む

ジュリアン・バーンズフロベールの鸚鵡』 フロベール『まごころ』

  • 一八五七年という恐るべき年/主題のない言葉の物語/極上のミステリー/クロス・カッティングという映画的手法/聴覚から嗅覚へ

付録 小説作法指南書ベスト10

あとがき

 

           *            *

 

  8講~12講のまとめです。

 

第二部 名作に学ぶ小説の技巧(テクニック)

第8講 三島由紀夫の『月』を読む

〈書き出し〉について分析しています。

 この作品は会話で始まっています。会話で始まる小説で有名なものは谷崎潤一郎の『細雪』らしい。

  • 会話で始めるのは、読者を語りのまっただなかに引きずりこむという点では有効だけれど、よほど注意しないかぎり間が抜けたものになりかねません。――P190
  • 書き出しで語られることは、小説が進むにつれて、具体的なイメージやエピソードになっていかなければならない。――P194
  • 会話では、性格が表される口調が重要です。
  • 会話で人間性を明らかにしていく。
  • 必要な情報をさりげなく文章に盛り込む。
  • 文章のリズムが大事。
  • 矛盾形容法を使うと深みが増す。
  • 言葉に日常を離れたひねりを加えることでユーモアを出す。
  • 自由間接話法(地の文で登場人物の心境、感想を書く方法)を使いすぎると下品になる。

 

 第9講 岡本かの子の『鮨』を読む

 冒頭は地理的なことが具体的に描写される。次に鮨屋の歴史が語られる。

  • 空間のダイナミズムを具体的に描写する。
  • 具体的な描写の中に抽象的な説明を入れると退屈にならない。
  • 抽象的な感想は、具体的に描写する。
  • 小説の雰囲気を代表する一人の人物にスポットを当てる。
  • 「食」を性的なメタファーで捉える。
  • 語りの視点の役目を担う作中人物を動かすことによって場面転換をする。
  • 作品のテーマのイメージとしての小道具を使う。

 

 

第10講 川端康成の『眠れる美女』を読む

 描写について――

  • 描写は大切ですが、物語の展開に関係のない描写をくだくだと書いたら、描写そのものとして失敗するだけでなく、小説そのものが死んでしまう。――P239
  • 行動の記述に比べて、描写は時間が停滞する。

 

徹底して自分の欲望のありかを探っていくことが大事です。自分は何をいちばん欲望しているのかということを探っていけば、かなり強烈な小説ができるはずです。そんなことを書いちゃったら、おれはひどい変態か人格破綻者になる、ということで普通、自己抑制しているわけですが、小説の場合は、それをやっていいんです。だって、これは主人公の欲望であって、作家の欲望ではないというエクスキューズがあるわけですから、思いきり自分の欲望を追求してみたらどうでしょう。(P242)

 

  • イメージを出すことでテーマを暗示する。
  • 色を対比させる。
  • 主人公の視覚と触覚に同調するかたちで描き出す。

 

 第11講 室生犀星の『蜜のあわれ』を読む
  • 比喩によって作品世界が成立している。全世界をシンボル化する。
  • 映画をたくさん観ることは、小説を書く養分になる。
  • 対話だけで成立している作品世界である。

 

 

第12講 フロベールを読む
  • 1857年の『ボヴァリー夫人』によって小説と詩の現代が始まった。――P276
  • それまでの「すでにある現実を再現する言葉」ではなく――フロベールは「言葉が現実を創造する」ことに気づいた。

 

 イギリスの作家、ジュリアン・バーンズの『フロベールの鸚鵡』という文芸批評的エッセイがある。フロベールの『まごころ』に出てくる鸚鵡の置物について書かれたもの。 

フロベールの鸚鵡

フロベールの鸚鵡

 

 

 フロベールの画期的なことは――

  • カメラが移動するように、広がりのある空間を描写した。
  • クロス・カッティング(別々の場所で起こってい事件を、それぞれ交互に描き出しながら、最後には二つの事件を一つに融合して書く)の技法を発明した。その表現はこんなふう。

     ● 聴覚から臭覚へと――感覚の移動によって場面転換。

     ● 客観的描写から改行することによって――主観的で心理的な場面に転換。

 

 

 

付録 小説作法指南書ベスト10

  谷崎潤一郎文章読本』(中公文庫)

 吉本隆明『言語にとって美とはなにか』(角川選書

 江藤淳『作家は行動する』(河出書房新社

 三島由紀夫『小説とは何か』(新潮文庫『アポロの杯』所収)

 丸谷才一文章読本』(中公文庫)

 佐藤信夫『レトリック感覚』(講談社学術文庫

 丸山健二『まだ見ぬ書き手へ』(朝日文芸文庫)

 ディーン・R・クーンツ『ベストセラー小説の書き方』(大出健訳、朝日文庫

 H・R・キーティング『ミステリの書き方』(長野きよみ訳、早川書房

 デイヴィッド・ロッジ『小説の技巧』(柴田元幸斎藤兆史訳、白水社

             ――これらの本があげられています。

 

  

           *            *

 

 小説のテクニックの部分だけ、抜き出してみました。

 内容豊かでよい本なのですが、文芸批評の面からの指摘が多い……それで、純文学至上主義みたいなものになっている気がするのです。文学とはそうなんだといえるのでしょうが……

 

 次週は『ミステリの書き方』を読みます。

 小説の書くためのブロット作りに役に立つはずです。

 

 

 

 

  …………      …………      …………      …………

 

     読んでいただいてありがとうございました。 

     誰もが穏やかで、幸せでありますように。