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社会の底辺で生きてきて69歳になりました。〈自分なりの仏教〉を心の支えにしてきました。底辺の視点での日記を書きます。訪問していただいて感謝しています。

『小説家になる!2』第一部まとめ

 おはようございます。

 今朝は冷えています。昼間は晴天になって暖かくなるようです。

 

 四天王寺さんでは昨日から太子市で露店が並んで賑やかです。古いガラクタから掘り出し物を見つけようとする人たちが詰めかけています。レコードやら置物やら時計。なにかをコレクションする、というのは人の癖=本能に刻まれたものなんでしょうか。人が集まっているというのはすごくウキウキします。

 

 

 

 

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 何が書いてあるか、まとめるのでなく、小説を書くことに役に立つことだけを抜き出しています。

 

 目次

はじめに

第一部 小説のメカニズムを解剖する

第1講 物語の構造分析

ジャン=イヴ・タディエ『二十世紀の文学批評』 ロラン・バルト記号学の原理』 ウラジミ・プロップ『昔話の形態学

  • ロラン・バルトの四つの二項対立/自己表現は文化に規定される/プロップの四大法則と三十一の機能/昔話に学ぶ「加害」のかたち/物語のパターンをふまえ豊かな小説をめざす

第2講 神話に学ぶ

オイディウス『転身物語』 高津春繁『ギリシアローマ神話辞典』

第3講 レトリックを習得する

ピエール・ド・マンディアルグ『催眠術師』

  • 小説を豊かにするレトリックの技法/さまざまなレトリックの具体例/水と火の対比の物語

第4講 海外ミステリーに学ぶ

パトリシア・ハイスミス『妻を殺したかった男』『ふくろうの叫び』

  • 導入部のサスペンスの巧みさ/アクション描写の切れ味/会話のリアリティ/物語の設定から新たな局面を展開する/物語世界を広げる/物語の意外性/謎・アイディア・ひねり

第5講 黒豹を殺せ――「文学」することのかっこ悪さについて

門田泰明『黒豹ダブルダウン』

  • 反面教師から学ぶ小説作法/虚構性と「文学」性に疑いを持つ/自分が書いた言葉に自覚的になる/厳しい懐疑の目を持って小説を読む

第6講 ミーズ・アン・ナビームの技法

丸山健二『夏の流れ』

  • 的確な文章と衝撃的なモチーフ/読者の興味の引きこみ方/会話の潔い書き方/感覚描写と行動描写/濃密な性格造形

第7講 マンガに学ぶ

楳図かずお『わたしは慎吾』 宮崎駿風の谷のナウシカ』 業田良家自虐の詩

  • 二十世紀に発達した二つの芸術ジャンル/緊密な構成力・特異な語りの構造/リアルな歴史意識/人間性の多様な描き分け

第二部 名作に学ぶ小説の技巧(テクニック)

第8講 三島由紀夫の『月』を読む

三島由紀夫『月』『詩を書く少年』

  • 読者を引きこむ書きだしの技巧/登場人物の口調と描写/矛盾形容法というレトリック/比喩の使い方/作家として持つべき視点

第9講 岡本かの子の『鮨』を読む

岡本かの子『鮨』『食魔』

  • 模範的な冒頭のつくり方/テーマを浮き彫りにする人物造形/場面転換の方法/印象的なエンディングのつくり方

第10講 川端康成の『眠れる美女』を読む

川端康成眠れる美女

  • 描写で勝負する/主題の取り入れ方/色彩の点描/読後感を厚くする細部/描写のダイナミックな効果

第11講 室生犀星の『蜜のあわれ』を読む

室生犀星蜜のあわれ/われはうたえどもやぶれかぶれ』

  • 比喩を使うテクニック/対話だけで成立している長編小説/室生犀星の文学的出発点

第12講 フロベールを読む

ジュリアン・バーンズフロベールの鸚鵡』 フロベール『まごころ』

  • 一八五七年という恐るべき年/主題のない言葉の物語/極上のミステリー/クロス・カッティングという映画的手法/聴覚から嗅覚へ

付録 小説作法指南書ベスト10

あとがき

 

           *            *

 

第一部 小説のメカニズムを解剖する

第1講 物語の構造分析ロラン・バルトの四つの二項対立 

ロラン・バルトの四つの二項対立

 バルトは記号学の原理をこの四つの二項対立によって示した。

  1. ラングパロール
  2. 記号内容(シニフィエ)と記号表現(シニフィアン)
  3. 体系(範例)と連辞――パラディグムとサンタグム
  4. 直示作用と含意作用――デノタシオンとコノタシオン

 

零度のエクリチュール 新版

零度のエクリチュール 新版

 

 「記号学の原理」という文章で、バルトは〈文化現象には記号学が適用できる〉とした。

 ひとつの〈バラディグム〉から何かを選んで〈サンタグム〉が完成する。選択することが自己表現になる――でも、それは文化の側から規定されているということでもある。

 

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昔話の形態学 (叢書 記号学的実践)

昔話の形態学 (叢書 記号学的実践)

 

 民話の構造分析の研究です。

  • 物語はすべて同じ構造を持っている。
  • その機能は31。

 これらは小説を書く時のヒントになるかもしれない。

  1. 冒頭の状況から始まる。〈留守〉
  2. 主人公に〈禁止〉が課せられる。
  3. 禁止が破られる。〈違反〉
  4. 加害者(敵対者)が情報を探り出そうとする。
  5. 加害者が情報に手に入れる。
  6. 加害者が被害者をだまそうとする。〈謀略〉
  7. 被害者がだまされる。〈幇助〉
  8. 加害者による〈加害〉
  9. 加害の事実が暴かれ、主人公に伝えられる。〈仲介・つなぎ〉
  10. 主人公が行動に出ることを承諾する。〈対抗行動開始〉
  11. 行動の開始。主人公の出立。
  12. 贈与者の最初の機能。(主人公に何かをしてくれる人物と出会う。あるいは、試練を与える)
  13. 主人公の反応。(耐えるか、耐えることができないか)
  14. 主人公に呪具が与えられる。(昔話だと魔法とか)
  15. 主人公が探索対象の方におもむく。〈移動〉
  16. 主人公と加害者が闘いの中で対峙する。
  17. 主人公が標を受ける。(傷を受ける。あるいは王女から魔力を得る)
  18. 加害者が敗北する。
  19. 最初の被害が償われ、欠如が補われる。
  20. 主人公の帰途。〈帰還〉
  21. 追放される主人公。(追跡される。帰還の邪魔をされる)
  22. 救助される主人公。
  23. 主人公がそれと気付かれずに家郷もしくは別の場所に到着する。
  24. ニセ主人公が現れる。(構造分析では意味は問わないので、不当な要求が肉親によってなされてもよい)
  25. 主人公に難題が課せられる。
  26. 難題が解決され、真の主人公が認知される。
  27. 認知される主人公。
  28. 正体を暴かれるニセ主人公。
  29. 主人公に新たな形姿が与えられる。〈変身〉
  30. 罰せられるニセ主人公。
  31. 主人公が結婚し、即位する。

 

  タディエの言葉――「主題は構造のなかに含まれている」

 

第2講 神話に学ぶ 

 

第3講 レトリックを習得する

 デュクロとトドロフが書いた『原語理論小事典』のなかにレトリックの定義がある。

 いろんなレトリックの方法を知っておくと、表現が豊かになる。

 

緩叙法  頭韻法  オノマトペ  暗示的看過法  比喩【直喩・隠喩・類推(アナロジー)】  迂言法  撞着語法  誇張法  換喩  提喩  修辞疑問(反語)

列挙法  漸層法  反復法  常套句  

 

修辞技法 - Wikipedia

ferret-plus.com

  

 第4講 海外ミステリーに学ぶ

  テキストはパトリシア・ハイスミス『妻を殺したかった男』『ふくろうの叫び』です。

  • 導入部のサスペンスが巧みである。読者の心に引っ掛かりを産みつける一行を書いておく。
  • すでに状況が始まっていて、冒頭がある。
  • アクション描写のキレ――スピーディでリズムよく。
  • 会話は心理を計算して、過不足なく書く。関係がわかるように。
  • 主人公が置かれた状況にリアリティを与える〈設定〉にする。
  • いままで何が起こっていたのか。これからどうなるか。過去の謎と未来の出来事という二方向がある。
  • 主人公の視点と行動だけでなく、外からの思いがけない展開や要素も描く。
  • 予測不可能な展開に持っていく。アブノーマルな人物がポイントになる。
  • 登場人物の行為によって、予測された結末が変わる。
  • 重要なのは、謎とアイディアとひねり。

 

  第5講 黒豹を殺せ――「文学」することのかっこ悪さについて

  テキストは門田泰明『黒豹ダブルダウン』です。

 

「文学」してはいけない――

  • いたずらに抒情的な描写に凝る。
  • 月並みな比喩を使う。(常套句)
  • アクションですんなりと書かず、奇妙な心理描写、不必要な分析的記述をして物語を停滞させる。 言葉の薄っぺらさ、イメージの大袈裟さ。
  • 物語にとってどうでもいい細部を描いている。
  • 筆が滑って現実にありそうもないことを書いてしまう。思いつきで書いてしまう。
  • 体言止め。
  • 説明口調。
  • 曖昧な表現。
  • 自分が作る虚構性に疑いを持たない通俗性にどっぷりと浸かっている。
  • 行動で描写せず、説明ばかりしている。

 

 われわれは、面白い小説や人を驚かせたり感動させる小説を書こうと目指しているのであって、「文学」して自分が悦に入ることだけは禁じなければいけない。(P99)

 

 ただの思いつきで書いたものは、観念であろうと、描写であろうと、比喩であろうと、アクションであろうと、筋立てであろうと、気の利いた細部であろうと、蘊蓄であろうと、、すべて小説にとっては余計なもの、要らないものです。(P121)

 

 著者はこの小説に対して厳しいです。でも、門田泰明さんはリアルで問題意識を持ったものを描くことよりも、娯楽としての読み物を書かれているような気がします。著者の言われていることに納得はしますけれど、それでは純文学を最高とするカーストを強化しているだけではないでしょうか。それは嫌だな。

 

 第6講 ミーズ・アン・ナビームの技法

  テキストは丸山健二『夏の流れ』です。

 

 ミーズ・アン・ナビームとは紋章学の用語で、ある紋章全体の意味を表している部分のこと。(P122)

 

  • 的確に書くことによってしか、小説のドラマチックな事実は描き出せない。
  • 描かれる事象がショッキングであればあるほど、文章は対照的に平明で簡潔で、おどろおどろしさを避けた透明なものが効果的である。
  • 心理的説明に還元しないで行為そのものを描く。リアリティさえあれば、読者は納得する。
  • 的確な行動描写が、語尾の「た」止めの単調さを独自のリズムに変えている。
  • 会話に、その状況に置かれている登場人物の心理を込める。それによって行動描写、感覚描写が生きる。
  • 本来は地の文で述べられるべき事実を登場人物の口から説明させるような書き方はしてはいけない。
  • 誰と示さなくても、わかるような会話にする。
  • 五感を総動員した立体的な風景描写にする。
  • テーマを登場人物の言葉の端々にそっと埋め込む。
  • 心理を説明せずに、感覚の表現で表す。
  • アクションの生々しさを出す感覚描写。
  • 心理の綾を、余計な説明をせず、会話だけで浮き彫りにする。
  • ここでは〈釣り〉が〈死刑執行〉のメタファーになっている。それがミーズ・アン・ナビームです。

 

  第7講 マンガに学ぶ

  テキストは、楳図かずお『わたしは慎吾』、宮崎駿風の谷のナウシカ』、業田良家自虐の詩

 

  • 小説以外に物語性を持っているのは映画とマンガです。――P154
  • 小説というのは、どこかで時間が流れているという感覚が必要です。物語の時間をくぐり抜けた後、世界や人間の変化を体験したという読後感がいるのです。――P163
  • 小説はしばしば、ある登場人物の行為がいかに意味があるかという話になってしまいがちですが、それはいろんな見方の一つに過ぎない。どんなことでも相対化できる視点を持つ。――P168

 

 (上は小説を書く上で役に立つだろうという部分をまとめたものです。ぼくはマンガを読みませんが……小説の物語性とマンガの世界を同列に語るのは無理があるのではないかと思います。マンガは極端であることを前提とします。描かれている時点で日常性を超えたものでは……たしかに壮大な歴史観とか酷薄な世界観には圧倒されてしまいますが、表現技法としては違うものに属している。やはり、映画の方が表現技法は学べる気がするのです)  

 この章はマンガ論というべきもののように感じました。

 

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   第二部でも、小説を書くテクニックについて学びます。

 

 

 

 

  …………      …………      …………      …………

 

     読んでいただいてありがとうございました。 

     誰もが穏やかで、幸せでありますように。