日の記し ★ヾ(´・ω・`)ノ.: 。☆彡 ・☆

社会の底辺で生きてきて68歳になりました。後悔ばかりの人生でしたが、それもしかたがないことです。〈初期仏教〉を信じているので、なんとか暮らしています。訪問していただいて感謝しています。ありがとう。<m(__)m>

『小説家になる!』(続き)7~12講まとめ

 おはようございます。

 シュラフにくるまっていると汗をかくのですが、夜中は冷えます。秋は深まっているのでしょう。

 業務スーパーで柿とりんごを買っています。安いものですが、りんごは美味しいし、柿は甘い。野菜や果物が豊富な日本の国はいい。四季がある国は素敵です。世界には、常夏だったり、寒い国、雨や霧に覆われて日があまり差さない国も多い。日本は自然に恵まれています。

 

 

 

 

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 目次

第一講 作家以前の方々へ

 作家のモラル――レイモンド・カーヴァー『書くことについて』

 物語世界に工夫を凝らす――永井龍男『秋』

 テーマを埋め込む――プルースト失われた時を求めて

第二講 書き出しの基本的なパターン

読者を引き込むそれぞれの技巧

第三講 構成に対する意識

サンドイッチ方式 モチーフの語り方

第四講 物語の設定について

マイナス1の仮定法 書くことの困難さ

第五講 対象との距離を保つ

ユーモアの効果 会話の断片性 小説のキモ

第六講 やってよいこと、やってはいけないこと

読まれるために書く 書くために読む どれだけ削れるか 初めの一行、タイトルの付け方 イメージを結晶させる 風景や行為に意味づけしない 誇張法や比喩の効果 体言止めと自由間接話法 登場人物の設定 テーマを発展させストーリーからプロットへ 謎の力 トリック 平明な言葉で書く 「文は人なり

  • スタンリー・エリン『鏡よ、鏡』『特別料理』……以下8冊、省略します。

第七講 書きたいテーマにあったジャンル

心理小説 愛と死をめぐる小説 幻想小説 ハードボイルド小説 ミステリ小説――物語を語る術 

第八講 物語をどう展開させ構築するか

四大元素の想像力 神話のもつ不滅のパターン 物語を構築する 場面を構成する――クロス・カッティング 映画から学べること 三面記事リアリズム

第九講 メリーゴーラウンド方式

無手勝流の名人芸 リアルな心理と感覚

第十講 弁証法を活用する

対立によるドラマ作り 典型的な登場人物 物語の空間を移す 対立を超えるもの

第十一講 エッセーが小説になる瞬間

比喩の使い方 二者択一の列挙法

第十二講 時間のパースペクティブについて

唯一のテーマを小説にする 無動機の設定 会話と行為のハードボイルド

付録 実践的添削教室

あとがき

 

 

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  7講~12項のまとめです。

 第七講 書きたいテーマにあったジャンル

心理小説

 複雑な心理を平明な言葉で描くことは難しい。

 ラクロ『危険な関係

 読みどころは、心理的反応の連鎖の見事さです。Aがある行為をしたときにBがどういう反応をするかを見越したうえで、Aは行為を行う。そうすると、Bは微妙に予想とずれた反応をして、その行為がさらにAやC、Dの行動に反射する。その波及しあう効果がどういうふうに反射しあって一つの物語を形成するか、それを徹底して描いています。(P137)

 

  • 行為と心理、登場人物相互の反応を一つずつたどっていく。
  • 小説家は、人間が人間を見る目になって書く。自分の視点を限定して書く。

 

  心理小説の極限として、現代のホラー小説を考えることもできる。

 

愛と死をめぐる小説

  愛とか生とか死とか、簡単な理屈づけや解答が不可能なものをテーマにする場合でも、作者は徹底して考えなければいけない。考えに考えたうえであえてそれを書かないことと、分からないことを分からないまま放り出してしまうことでは、作品の重み、視点の鋭さ、イメージの現実性、言葉の力が全然違ってきます。――(P144)

 

  • 恋愛を描く場合、とくに恋愛の高揚を描く部分では、作者が高揚していてはだめです。
  • 伏線は最後に全部解決されなくてはいけない。
  • 小説の中で、いろいろな過去のいきさつとか、地の文で書きにくいことを、聞く相手に語るのは、昔からの古典的な技法です。
  • ストレートな言葉で登場人物に感情を説明させない。
  • 小説の中で、善悪とか好悪の評価を書くのは止す。それは読者に委ねられるべきです。

 

 幻想小説

  •  全体が大時代的におどろおどろしくなったら負けです。幻想のイメージは本当にきらりと光るものが一つあれば十分で、それと対比すべく、日常生活をうまく抑えて描く。
  • 一見でたらめだけれど、実は一つの筋が通っているという面白さがなければ、つまらない。
  • シュルレアリスムのデペイズマンという方法。あるべき場所にある物体を別のところに移す。ある物体がありうべくもない場所に移されたときにショックを引き起こす。
  • 幻想世界にも一定の枠組みがある。

 

 ハードボイルド小説

  ある謎をめぐって、探偵が次々に人を尋ね歩いて、証言を引き出していく。ある人の証言が次の人にバトンを渡すように、謎の糸を渡していく。

 

 ロス・マグドナルドは純文学に限りなく近いハードボイルドといわれる。『ウィチャリー家の女』『さむけ』など。

 

ミステリ小説――物語を語る術

  キーティングの『ミステリの書き方』が紹介されています。 

ミステリの書き方

ミステリの書き方

 

 

  • この本の「書き出し、進め方、終わらせ方」の章はすべての小説の作法になっている。
  • ミステリはすべての小説の基本である。
  • 小説はサブリナルな作業。細かな伏線を張ったり、ちょっとした物事に注意を喚起したりして、読む人の記憶に一定の情報をインプットして、読者の意識を操作し、作者の望む方向に持っていく。――P158
  • アイディアを思いついたときに、「まず、いったいその題材のどこにそんなに惹かれたのか」と問い直す。
  • いつもメモをとろう。
  • 種を撒いておく。伏線は手掛かりになるほど具体的である必要はない。登場人物の側面をちょっと暗示するだけでよい。
  • 文章は短く。装飾語が多い文章は読者に負担をかける。
  • 作者が1ページ目にあまりにも多くのことを盛り込みすぎるのもいけない。
  • ストーリーを進ませようと焦るほど、状況説明をやりたくなる。主人公の来歴、置かれている状況、友人関係などを全部書こうとする。物語が進むにつれて少しずつ説明がつけばよい。詰め込みすぎはいけない。
  • 心の葛藤があって、それがいったん緩和される。けれどまた難問に遭遇する。そういう形でずっと緊張の糸が維持されていなくてはならない。
  • アクション・シーンは、主語、動詞、目的語だけで十分だ。
  • 静的な場面と、激しいドラマとの対比が必要です。説明は静的な場面で行う。
  • すべてはテンポの問題です。
  • 重要なのは、〈衝撃〉よりも〈驚き〉のほう。衝撃ならアイディアとして用意することができるけれど、重要なのは、些細な描写で読者をはっとさせることです。
  • 説明の部分は、〈読者は退屈してつき合っている〉のを忘れずに。
  • 書く人は、読む人に何らかの驚きや楽しみを与えなければならない。
  • 書きたいのはここです――人生のマイナス面を掬いあげて、それをプラスに転化したい。
  • 「理想的なミステリとは、たとえ最終部がなくなっても読まれる作品だ」――謎解きがなくても、そこまでの部分で読ませる。
  • 投げ出さない秘訣――その作品に必要で、自分が激しく興味をそそられる部分から書き始めること。
  • 小説を決定していくのはやはりストーリー。小説のために調べた現実の世界での事実は、虚構の世界では不必要であり、進行を遅らせ、描写の躍動感をそこない、曖昧にする。

 

第八講 物語をどう展開させ構築するか 

 この世界を構成している四大元素神話について記述しています。それは世界の原理となっているものです。

 

 ここで紹介されている本です。

昔話の形態学 (叢書 記号学的実践)

昔話の形態学 (叢書 記号学的実践)

 

 プロップは物語の構造分析の基礎を作った人です。 

民話を徹底して蒐集・分析していくと、物語の変化や登場人物の行動のパターンが必ずいくつかに決まってくる。……

 民話には、主人公が旅に出発するとか、旅の途中で試練にかけられるとか、特殊な能力を授けられるとか、必ず敵と戦うとか、ニセの主人公が現れて妨害するとか、将来結婚する王女と出会うとか、禁止とか違反とか謀略とか贈与とか移動とか帰還とか追跡とか、様々な物語の機能、パターンが出てくる。そういうパターンを分析して、民話は限られた数の物語の機能に分解できるということを証明した。物語として具体的に表れてくる形はものすごく多種多様に見えながら、個々の物語の機能は限定されていて、そのパターンの応用にすぎないと分析した。この機能の数も三十一個だと言い切っている。(P182)

 

場面を構成する――クロス・カッティング

 フロベールクロス・カッティングの手法を開拓した。

 

 ……例えばフロベールプルーストを読みながら、小説の細部をいかに確実に自分の眼力で確かめるかという読み方をしていくと、自分が書くときも、細部をどれだけいきいきと描写できるかということに意識的になれると思う。物語の構築、思想の展開といったこととは違うレベルでの小説の面白さは絶対ある。(P190)

 

映画から学べること

  映画はシナリオを組み立てる段階で物語性に賭ける部分があるので、小説を書くことが映画を観ることで鍛えられるのは間違いない。――P191

 

 セリフは映画のシナリオからも学べる。

 

三面記事リアリズム

  三面記事から小説を構想する。三島由紀夫は「三面記事リアリズム」ということをいった。

 

第九講 メリーゴーラウンド方式 

 深沢七郎の『東京のプリンス』の分析です。構成について述べています。

 メリーゴーランド方式は主人公を次々と変えていきます。最終的にそれぞれみんな関係し合って、最後はもとの人物に戻るという形式。

 

  • ここでは深沢七郎が持っているニヒリズムに言及しています。
  • 心理描写と行動描写を巧みに混ぜながら語っている。

 

第十講 弁証法を活用する 

 石川淳の『紫苑物語』を題材に。

  • 人と人、物と物の対立によるドラマ作り。
  • 一章でとんでもない出来事を提出して読者を引き込む。
  • 血のイメージを出して、後のことを暗示する。
  • 謎はすぐに説明しない。
  • フラッシュ・バックを用いる。
  • 対立をもう一つ高いレベルに持っていく。
  • 異界のモチーフを出す。

 

第十一講 エッセーが小説になる瞬間 

 この章では開高健の『玉、砕ける』を読んでいます。

 エッセー的なものをどのようにして小説に仕立てるか。そのテクニックがわかります。

  • 視点が捻じれていても、レトリックとして読まされてしまう。
  • 比喩的なイメージを繰り出すことでユーモアを感じさせる。
  • 大げさな持って回った言い方の比喩で、イメージを喚起する。
  • 論理的なつながりをレトリックでずらす。

 

 この小説では一見関係がなさそうなエピソードが並べられているのです。椅子の比喩、 張さんのエピソード、垢すりのエピソード、老舎が死んだというエピソード。

 ここで一のエピソードと二のエピソードが完璧につながったでしょう。つまり、図式的にいってしまえば、老舎はどっちの椅子にも座らなかった人なんです。こっちの椅子かあっちの椅子のどちらかに座れとずっと言われたけれども、へらへら笑いながら、老舎もだめになったぜと言われながら、自分がいやな椅子には絶対に座らなかった。どちら側にも座らなかった。……略……

……つまり、ういう政治的、倫理的な問いを突きつけられた老舎が、最後の最後までどっちの椅子にも座らずに、結局、宙吊りに耐えて死んだという話です。(P257)

 

 

 第十二講 時間のパースペクティブについて

 丸山健二『アフリカの光』について分析しています。レトリックと表現について。

 アフリカに憧れているヤクザまがいのチンピラの話ですが、「私」という一人称で語ることで語り手と出来事のあいだに距離を置いている。

 小説の喧嘩の最中に過去の出来事がフラッシュ・バックで挿入される。つまりすごく技巧的で人工的な技法に基づいている。

 作品の時間をどこか宙に浮いた時間にしようとしている。アフリカに行きたいけれども行けない〈待っている時間〉それを物語として構築している。

 抒情を削った描写…… 

 その作品そのものを象徴している浮遊したパースペクティブな時間を選んでいる。

 それがハードボイルドな感触になっている。

 

付録 実践的添削教室

 ここでは創作学校の生徒の作品をじっさいに添削指導しています。

 細かい語彙やイメージまで添削された見本になっています。

 これを読むと、「意識して言葉を使わないと……」という気持ちになります。

 

 

            *            *

 

 書くことへの詳細な助言が詰まった本です。ただ、なかなかこのようにはできないな……という思いに苛まれてしまう。

 次回は『小説家になる!2』を読みます。

 

 

 

  …………      …………      …………      …………

 

     読んでいただいてありがとうございました。 

     誰もが穏やかで、幸せでありますように。