日の記し ★ヾ(´・ω・`)ノ.: 。☆彡 ・☆

社会の底辺で生きてきて68歳になってしまいました。ここでネガティブなことも肯定できる視点を持ちたい。いまはブログがあるので寂しくありません。訪問してくださる人に感謝しています。ありがとう。

『縦横無尽の文章レッスン』

 おはようございます。

 昨日は暑かった……扇風機を回していました。古いアパートで風通しもよくないので、窓を開けても入ってくるのは熱気だけです。

 夜なかにトイレに行くときに廊下で猫さんと会いました。近所の野良猫です。二匹。白と黒。ぼくを見てあわてて物干し場に駆けて行きました。 可愛かった。

 

 

 

          *            *

 

  続けて、村田喜代子さんの本です。 

 

縦横無尽の文章レッスン

縦横無尽の文章レッスン

 

 目次

前期

一週 何を書くか、何を書かないか? 小学生の作文にひれ伏そう

二週 面白がって、自由に、大胆に、冗談まじりに、好きなようにやってみよう

   間違っても、しかつめらしくならないで

三週 真っ直ぐな、素直な文章ばかり書いていないか?

   理屈はこんなふうに捏ねるのだ

四週 さあ、大胆に、冗談まじりに、

   一所懸命に、理屈を捏ねてみよう

後期 

一週 天才少年大関松三郎の詩を読む

   これが七十年前に書かれた文章表現だ

   言葉の陰にあるものを読み取ろう

二週 筋の通る文章と筋の通らない文章

三週 考察とは物事を明らかにするために

   よく調べて考えること

四週 考えながら、笑ってみよう

   笑いながら、考えてみよう

五週 対象物をじっくりと見てみよう

   しかるのち、目を閉じる

   物事の本質はそれからでないと見えてこない

六週 深く書くとはどういうことか

   たかが、ねずみの話であるが

   たかが、はとの話であるが

最後の授業 創作必携

 書く前に考えること

 書き終えて読み直すこと

一 テーマをどう掴むか

二 文体をどう作るか

三 書く前は徹底的に調べる

四 まず自分の目と耳で推敲する

五 文章の中に空白はないか

六 自分の癖を知る

 著者は作家です。この本は、一般的な〈エッセイや記事を書く ための文章術〉とはちょっと違うかも知れません。でも、文章の作り方として、共通するものを語っているようです。

 

             *               * 

 

 著者が大学で教えている小説創作講座の記録です。テキストを選んで、それを参考にして、文章の作り方を学んでいきます。

 週ごとのタイトルがついていますが、いちばん言いたいポイントを表しているのです。

 

 

 前期

第1週

 前期の1週目は作文コンクールで入選した小学生の作品を読んでいます。

 子供は、大人のように〈いろいろ書くことがある〉と迷わない。すぐに書きたい出来事の描写から始まります。

 著者はこう言います。「枚数がある。だから何を書くか、ということは、何を書かないか選ぶことだ」

 テキストの「かい水よく」では、起承転結の承に女の子にわかめを投げたエピソードを持って来ています。そして転です。船に乗って海の水が後に流れて白く泡立ったこと。それが作文の作者の印象に残っていて、一番書きたかったことです。小学生の作品は起承転結がはっきりしている。

1 まず書く事柄を決めておく。

2 そして書かない事柄も決めておく。

3 大胆に自分中心でいってみよう。

4 そうして周囲を細心に観察する。

 

第2週

 野見山暁治の版画『昨日のこと』を見て、イメージを膨らませ、ショートショートを書く。それが想像力の鍛錬になる。

 それぞれの学生が書いた作品が掲載されています。

 どのように、イメージを作れたか。

 

第3週

『2000年間で最大の発明は何か』(ジョン・プロックマン編 草思社)を読む。

 人によって様々な考えがあり、発想も違うということ。思考の柔軟体操。屁理屈の立て方。読者を説得しようと試みること…… 

2000年間で最大の発明は何か

2000年間で最大の発明は何か

 

 

第4週

 学生が書いた〈2000年間で最大の発明は何か〉をテーマにした作品を読む。

 相手を説得できる文章の作り方――理屈の立て方を学ぶ。抽象的なことを言ってもだめ、具体的でないと。

 

後期 

第1週 

 大関松三郎詩集『山芋』を読む。 

大関松三郎詩集 山芋

大関松三郎詩集 山芋

 

 当時、天才少年詩人といわれた。 素朴で真っ直ぐな感性。

 その表現の良いところを考える。生活の視点を持った描写。

 

第2週

『ひらがな日本美術史 3』(橋本治 新潮社) 

ひらがな日本美術史〈3〉

ひらがな日本美術史〈3〉

 

 文章の筋を通すというのは、論理的であるということ。(P115)

 平易な言葉でわかりやすく。

  

少年とオブジェ (ちくま文庫)

少年とオブジェ (ちくま文庫)

 

論旨の反転、逆転を繰り返しながら、それでもちゃんと筋道は立って、結びに鮮やかに着地するのである。

 真っ直ぐに話を進めて筋道を通す文章と、とんでもなく宙返りしながらそれでもなぜか筋道が通っている文章と、いろいろあるということ。大切なのは、どんな奇想天外な世界へ行ってしまっても、いついかなるときも、その世界に基づいた筋道、理屈が通っていること。(P120)

 

『馬と風景』北川冬彦

一見、不条理に見える詩の言葉の中に納得できる不思議あ世界が生まれてくる。(P122)

  この章では、論理性とイメージとの関係が語られています。イメージの世界では常識的な論理は投げ捨てられるのですが、〈その世界の論理〉がある。詩やここで取り上げられている俳句はそういう表現に基づいている。

 

第3週

「文章の作り方」というのは別の言い方をすると「物事の考え方」なのである。

 教室で何度も繰り返して言い続けているのだが、私たちのやる文章修行に特別の近道はない。普段から優れた文章を読み続けていけば、必ず自分の頭がそれらの文章の思考回路に共鳴するようになるのである。(P131)

 

悲鳴をあげる身体 (PHP新書)

悲鳴をあげる身体 (PHP新書)

 

  皮膚感覚を考察することによって、衣服の本質に迫る。

 

思想する「からだ」

思想する「からだ」

 

  著者がインドで気づいた、人びとの姿勢や歩き方について考察した文章。

  

エレファントム 象はなぜ遠い記憶を語るのか

エレファントム 象はなぜ遠い記憶を語るのか

 

 動物の魂について書かれた本。

 

 文章が築き上げる世界の多彩さを指し示してくれるテキストたち――

 

第4週 

けものづくし―真説・動物学大系 (1982年)
 

 犬についての文章です。

 私たちが〈犬〉と名付けるから〈犬である〉という不思議。

  

困った人体

困った人体

 

  この人体を物と見立てて扱うエッセイの書き方は、視点をひっくり返し、またひっくり返す。

 これは赤瀬川原平に限らず、すべての文章に共通することであるが、文章は「意識」なのだ。「どのように書くか」である。(P158)

  ここで学生に〈心臓 唇 爪〉の一つを題材にしてエッセイを書く課題を与える。そこからどうイメージ膨らませるか。

 

第5週 

 

ねずみ女房 (1977年) (世界傑作童話シリーズ)

ねずみ女房 (1977年) (世界傑作童話シリーズ)

 

 

博物誌 (新潮文庫)

博物誌 (新潮文庫)

 

 対象物をじっくりと見る。

 擬人化。そのものの気持ちになって描く。

 

第6週 

ねずみ女房 (世界傑作童話シリーズ)

ねずみ女房 (世界傑作童話シリーズ)

 

 鳩とねずみの交流。そして最後、窓を越えて世界に向かって飛んでゆく鳩のシーン。

「ああ、あれが、飛ぶということなんだわ」とねずみはつぶやく。それをきっかけにして〈遠く、大きい〉星が夜空に光っているのに気づく。

 

「言葉で世界を発見することができる」ということを学ぶ。

 

創作必携

テーマをどう掴むか

 具体的な形で掴むこと。

 テーマを考えるより、自分が書こうと思う話のイメージを掴んだ上でプロットを作る。具体的な場面が浮かんだらあと一息。

 

文体をどう作るか

 文体を意識するより、思考を推し進めることを考えたほうがいい。つまり、考えを進めやすい文章を書けばいいのだ。この場合は文章というよりも話し方、しゃべり方と言ったほうがわかりやすい。……

 文体とは、しゃべり方である。(P213)

 

 

書く前は徹底的に調べる

 知識欲と好奇心を手放さないこと――それがきっかけになってプロットが出来上がる。

 

まず自分の目と耳で推敲する

 書式を変えてみる。

 自分の耳で確かめる。そうすると「違和感があるところ」に気づきやすい。

 

文章の中に空白はないか

 重複していたり書くほどのものでもないことに字数を費やしている部分は削除する。贅肉を減らす。

 

自分の癖を知る

 観念用語を使ってしまうようなこと……

 文章を書くことは、注意を受ける、誤りを正される、けなされることだと知れ。

 良い文章は、いわゆる上手な文章とは別物だ。 

 うまく出来なかったときは、自分の人格を損なうものではない。注意されても傷つくことはいらないのだ。指摘を受けた箇所を正し、出来る限りの書き直しをする。

 それでいい。(P219)

 

 

             *               * 

 

 

 多くの文章を読み、よい文章に学ばなければ、書くことは上達しないとわかりました。この本に取り上げられている小説やエッセイ、童話、詩など……先人たちのよいテクストがあるのを知りました。 

 

 

 

  …………      …………      …………      …………

 

     読んでいただいて、ありがとうございました。 

     誰もが穏やかで、幸せでありますように。