日の記し ★ヾ(´・ω・`)ノ.: 。☆彡 ・☆

社会の底辺で生きてきて68歳になってしまいました。ここでネガティブなことも肯定できる視点を持ちたい。いまはブログがあるので寂しくありません。訪問してくださる人に感謝しています。ありがとう。

『銃・病原菌・鉄』上巻(続き)

 

 おはようございます。 

 昨日は書く途中でブログをUPしてしまってすみませんでした。すごくそっけない文章になってしまって……

 今日で上巻のまとめはいちおう終わります。

  

 

 

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目次

プロローグ ニューギニア人ヤリの問いかけるもの
第1部 勝者と敗者をめぐる謎
  1章 一万三〇〇〇年前のスタートライン
  2章 平和の民と戦う民の分かれ道
  3章 スペイン人とインカ帝国の激突
第2部 食糧生産にまつわる謎

  4章 食糧生産と征服戦争
  5章 持てるものと持たざるものの歴史
  6章 農耕を始めた人と始めなかった人
  7章 毒のないアーモンドのつくり方
  8章 リンゴのせいか、インディアンのせいか
  9章 なぜシマウマは家畜にならなかったのか
  10章 大地の広がる方向と住民の運命
第3部 銃・病原菌・鉄の謎
  11章 家畜がくれた死の贈り物

 

 

 

簡単なまとめ

 現代世界の不均衡の原因は、1500年時点での技術や政治構造の〈各大陸間での格差 〉によるということ。

1部

 進化の歴史(1万3000年前~ 各大陸の環境)が描かれます

 環境の差がどんな影響を及ぼしたか……主にポリネシアの島々の考察

 スペイン人がインカ帝国を征服できたわけ

2部

 農耕が始まった事情と、家畜の飼育についての考察

3部

 病原菌の影響について

 

 

 

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 メモしたこと

 2章の「平和の民と戦う民の分かれ道」を読んでいて、〈地理的な環境〉が人の集団の暮らし方や生き方に大きな影響を与えることがわかりました。農耕民は余剰生産物を生みだし政治制度を発展させます。軍事的な侵略を行うことも容易になります。それに対して狩猟民は部族的な集団にとどまり平和に暮らそうとする。

 

 3章ではスペイン人がインカ帝国を滅ぼした事情が描かれます。ピサロの部隊は168人しかいず、アタワルパは8万の兵士に守られていました。それでも会見に出向いたアタワルパは捕らえられ、後に処刑されます。なぜでしょうか。

 本のタイトルにもなっている銃が威力を発揮したのです。また騎馬が圧倒的な軍事力として活躍しました。スペイン側は一人の犠牲者も出さずに、何千人もの敵を殺すことができました。そのことがP109~118で具体的に描かれます。

 インカ帝国側の内紛や投降もあったのですが、スペイン人がどういう目的で来たのかも知らず、侵略者と思っていなかったことが原因のようです。インカ帝国には文字がありませんでした。ところがスペインのほうは文字があり、それまでの情報を溜め込んでいたのです。

 要するに、読み書きのできたスペイン側は、人間の行動や歴史について膨大な知識を継承していた。それとは対照的に、読み書きのできなかったアタワルパ側は、スペイン人自体に関する知識を持ち合わせていなかったし、海外からの侵略者についての経験も持ち合わせていなかった。それまでの人類の歴史で、どこかの民族がどこかの土地でおなじような脅威にさらされたことについて聞いたこともなければ読んだこともなかった。この経験の差が、ピサロに罠を仕掛けさせ、アタワルパをそこへはまり込ませたのである。(P119)

 

  武器の技術と情報を活用する……戦争の本質というのはいつも変わらないようです。スペイン人が勝った理由です。

  • 銃器・鉄製の武器を持っていた。
  • 騎馬などの軍事技術があった。
  • ユーラシアの風土病・伝染病に免疫を持っていたが、インカ側はそうでなかった。
  • 航海技術があった。
  • 国家の集権的な政治機構による援助があった。
  • 文字、情報を持っていた。

 ヨーロッパ人が持ち込んだ伝染病に免疫を持たない新大陸の人々は次々と病死することになります。それがヨーロッパ人が新大陸を侵略、植民地化できた理由です。病気に対する免疫がなかったことが、逆に、アメリカの先住民がヨーロッパを植民地にできなかった理由でもあるのです。

 

 

  国家が植民地主義の政策をとると恐ろしいです。この部分ではいまの中共の脅威を思い出してしまいました。中国の〈一帯一路〉は植民地主義で、かっての帝国主義の復活なのですが、もう止めようがない。

 伝染病については、ここ何十年も流行っているゾンビ映画を思い出させます。それはなにかの予兆でしょうか。じっさいに悪い国が化学兵器として病原菌を撒くようなことも考えられからです。

 

 

 第2部は食料生産についての分析、考察です。 

 章ごとのタイトルを見てもわかるとおり、

……動植物の栽培化および家畜化は人口の稠密化に直接的に貢献している。栽培化や家畜化は、より多くの食料を生みだすことによって、狩猟採集生活よりも多くの人口を養うことを可能にする。そして、食料が生産できるようになると、定住生活が定着する。(P127)

農耕や家畜の飼育が、人類にどんな影響を与えたか、の分析です。

食料の貯蔵・蓄積はまた、征服戦争に宗教的な正当性を与える僧侶の存在も可能にする。刀剣や銃器などの製造技術を開発する金属加工職人などの存在も可能にするし、人の記憶を上回る記録を書き残せる書記などの存在も可能にする。(P129)

 

 P131に書かれている「病原菌は家畜に由来する」という指摘は新鮮な驚きでした。たしかにエイズとか鳥インフルエンザとか……パンデミックが恐れられるものは動物との接触から発生しています。

 

 5章の「持てるものと持たざるものの歴史」から10章の「大地の広がる方向と住民の運命」までは、農耕や牧畜の歴史をたどっています。地理や環境に左右されながら〈栽培化〉という試行錯誤を繰り返したのです。この本によって個々の野菜の栽培化の過程の詳細な具体例を知ることができました。偶然できる突然変異種を取り出し栽培していく。それは人為的な自然淘汰を行っているといえます。

 食料生産の基本は、〈気候・環境・野生動物の分布〉で、環境に左右されます。

 

 読みながら「家畜化」について考えていました。

 人間は自らを家畜化している……という説を昔、聞いたことがあったからです。社会に階級的なものを作り、自らを枠にはめ、集団のリーダーに従う……人間も安全を求める家畜のような存在なのかもしれません。

 また人間は格差を作り、他人に奴隷労働を押し付けます。

 それも動物としては自然なことなのか、と思ったりします。

 

 

 P275には「東西方向への伝播はなぜ速かったか」というトピックがあり、ユーラシア大陸において東西に技術や文化が伝わっていく理由が明らかにされています。

 南北よりも、緯度が同じ東西のほうが気候が似ていることが多い。そうなると適応できる作物が伝わりやすい。ユーラシア大陸は最適な環境を持っていました。動物や人の移動もそのように行われるようです。

 

 

 第3部の11章「家畜がくれた死の贈り物」は刺激的なタイトルですが、伝染病の感染源が家畜であったのは歴史的な事実です。

 それによって家畜と触れ合っていたヨーロッパ人は免疫を持ったし、免疫を持たなかった新世界の住民は感染して死に絶えました。

 病原菌はヨーロッパ人だけに好都合に働いたわけではありません。熱帯アジア、アフリカ、インドネシアニューギニアにはマラリアコレラがありました。それによってこれらの地域の植民地化は南北アメリカ大陸よりも400年も遅れたのです。(P316)

 

 

             *               * 

 

 続いて下巻を読みます。

 分厚い本ですが、具体例の提示と、詳細な分析と考察は読み応えがありました。人間も自然の中の存在なんだな、と思います。

 

 

 

 

  ………………       ………………       ………………

 

  読んでいただいて、ありがとうございました。

  誰もが穏やかで、幸せでありますように。