日の記し ★ヾ(´・ω・`)ノ.: 。☆彡 ・☆

底辺で生きてきて68歳になってしまいました。後悔することの多かった人生ですが、しかたがない。自分なりの仏教を信じているのでなんとかやっています。訪問していただいたことに感謝しています。ありがとうございます。

救急車に来てもらった先週のこと / 「空」

 

 おはようございます。

 今朝は暖かい。天気予報を見たら、最低気温が17度なんですね。日中は晴れていますが、夜は雨が降るようです。

 花粉症でくしゃみばかり出ます。いまの時期、しかたないのかも。今年はヒノキの花粉が大量に飛んでいるらしいのです。 

 

   

 

          *               * 

 

 

 生野区のような大阪の下町に暮らしているといろんなことがあるのですが……

 先週の土曜日に救急車を呼ぶことになってしまいました。

 

 じつはその木曜日の朝方4時頃に、ドンと大きな音がして目が覚めたのです。斜め前のWさんの部屋からでした。廊下を歩いてトイレに行く様子だったのは、うつらうつらしているなかでわかっていたのですが……何回も壁にぶつかるような音が聞こえていたのです……

 ドアを開けてしばらく様子をうかがったのですが、それっきり音はしませんでした。

 

  ラジオ体操から帰って来て……心配になって……(倒れていたり、死んでいたら困りますから)……Wさんの部屋のドアを叩いて暖簾をかき分けて声をかけてみたのです……

 Wさんはパジャマのようなものを着て、布団に寝転がったままで、こちらを見ようともしません。テレビはついているのですが、見ているようでもなし……ただ思ったよりも白い顔がむくんでいるようで、表情らしいものもなくて……声かけにも、反応がなく手足をひきつらせように動くだけでした。

「怒っているのかな」と思いました。昔、お金を貸してあげて……返してくれそうにないので怒鳴り込んだことがあったものですから……そんないざこざがあった後、それからは挨拶してもまともな返事が返ってきたことはないからです。ただ、ウッとかオとかいって通り過ぎてしまいます。敬遠されているようなのです。

 

 反応がないので、どうすることもできないので……「体調はどうなんですか」……「なにかあったら何でも言ってくださいね」と言って、ドアを閉めたのですが、変な感じが残りました。

 それから二日経っても部屋から出たような気配もありません。

 とっている新聞も部屋の前の新聞袋に溜まっています……

 

 それで気になっていたのです。

 土曜日の朝、ぼくのところから一つおいた部屋に住むTさんが廊下に出て来た時に声をかけてみました。「Wさんの様子が変な気がするんです……」

 Tさんは、「このあいだのやり取りは聞こえてたから知ってるけど、こっち向かんというのはおかしいな」

「糖尿病は体が動かんようなったりするから……」

「おれにも、いつも、まともに挨拶せんけど」

 などといろいろ推測します。

 

「こちらも見ないし……怒っているにしてもなんか言うはずでしょう、ぼくは嫌われているようですけど……体調が悪いのか、鬱みたいなものなのか……」

 

「今度は、Tさんが声かけてみてくださいよ」と頼みました。

 Tさんがドアを叩いて開けて声をかけました。それで、態度が変だとわかったようです。

 

「頭が壁に当たって首が曲がったままや。足もくねってるし」「救急に電話したほうがいいな。電話してや」「110番でなくても119番でええわ」

 それで、ぼくが電話しました。

 

 アパートの外で待っていると15分ほどで救急車がサイレンを鳴らして来ました。だいたいの様子は電話で話していたので、救急隊員の人を二階に案内しました。

 廊下から様子を見ていたのですが……隊員の人の声かけにも反応がないようです。体はこわばっているようで「ちょっと背中向けますよ」とか「足、伸ばして」とかの声が聞こえました。

 Wさんは担架で担ぎ出され、階段を降ろされ、玄関にあったストレッチャーに載せられました。ちょうど前の家のおばさんも出て来ました。

 Wさんが救急車で運ばれるまで見ていたのですが……

 おばさんの話だと隣のアパートでも、住んでいた人が前日に亡くなったそうです。

 近所のアパートや文化住宅には老人の一人暮らしが多いから、ひっそりと死ぬことが多いのです。

 いつも外で坐っていて通りすがりによく話をした Tさんも、1月半ばに亡くなったと聞きました。息子さんが訪ねてきたらベッドで死んでいたそうです。78歳で、肺が悪かったのでしんどそうでした。よく済州島の話をしてくれたのに。

 

 2年前に階下で住んでいたおばあさんは玄関で倒れて亡くなったし……その時は支給されていた救急ボタンを押して娘さんが駆けつけたのですが間に合わなかったようです。

 このアパートに住んで33年になるのですが、ぼくが入居してから亡くなった人は8人います。病院に入院して亡くなった方もいるし、部屋で病死していた人もいる。どの部屋も誰かが亡くなっている。古いアパートなので、以前住んでいた人が死んで空き部屋ができる。そんなことが当たり前のようです。

 

 ぼくも老人ですが、近所は老人だらけです。老人は死ぬことで、町は新しくなるのでしょう。そうしてこの下町の生野区も変わっていくんだろうなと思います。人が死ぬのは生物が最後に迎える出来事だからしかたありません。

 

 Wさんはまだ入院中です。

 救急車で運ばれて行ったままで、近所に親戚もいないようだし、どこの病院かもわからないままですけれど……たぶん脳溢血だと思うので、障害が残るようならリハビリが必要です。そうなると帰って来れない。何もできないので病院に任せるしかない。

 

 こんな出来事を書いたのは〈話題にしようと思って〉ではないのです。

 下町ではそういうことが日常なのだと思うからです。

 人が死に直面することは大変なことです。でも年をとるというのは、それが普通になることなのです。できるだけ助け合って暮らすのが大事です。財布を盗られたりするので用心も必要な地域ですが……自分が苦しんでいる時に、誰かが助けてくれると思えたら安心できます。

 救急車で来てくれた隊員の人たちのテキパキとした処置に頭が下がりました。

 すべてのことに感謝しかありません。

 

 

  

 

 

………………     ………………     ………………     …………

 

 

   「空」

   

泡のような

雲が

いっぱいに

広がっていると

なんだか

さびしい

ぼんやりと

明るい

空の下を

どこまで行けるだろう

体を休め

心が満たされる

そんな場所が

あるだろうか

歩いてきた

昨日のことも

誰かと

出会ったことも

すぐに

忘れてしまう

そんな自分を

どこかに

運んで行く

 

 

 

 

 

………………       ………………       ………………     

  

    読んでいただいて、ありがとうございました。

    誰もが穏やかで、幸せでありますように。