日の記し   ★ヾ(´・ω・`)ノ.: 。☆彡 ・☆

社会の底辺で生きて来て68歳になりました。その視点からの日記です。考えたこと、読んだ本の感想、検索したこと、自分なりの仏教のことを書きます。リンクを貼らせていただくサイトの方々に感謝します。m(__)m

『日本人のための世界史』(宮脇淳子 KADOKAWA2017年2月刊行) / 「つらら」

 おはようございます。

 今日は大阪も雪が降るそうです。

 

 昨日、西部邁さん多摩川に入水されました。78歳だったそうです。奥様を亡くされてから4年目です。寂しかったのでしょう。出演された動画などを観ていて、論理的な言葉の繰り出しに「知性の塊のような人だな」と思っていました。ご冥福をお祈りします。

 

妻と僕―寓話と化す我らの死

妻と僕―寓話と化す我らの死

 

 

 

 

  

 

          *               * 

 

 

 

  この本を読みました。

 目次

1章 教科書で教えられる世界史の大問題

2章 モンゴル帝国から「一つの世界史」は始まる

3章 中国に巨大な影響を与えた元の支配

4章 欧州全土を征服寸前だったモンゴル軍

5章 ロシア帝国は「黄金のオルド」を受け継いだ

6章 清を建設した満州人とは誰なのか

7章 露清関係の真実と「最後の遊牧帝国」

8章 大日本帝国の登場、そして満州国誕生へ

9章 満州国の遺産が中国に近代をもたらした

終章 今こそ日本人のための世界史を書こう

 

 

 

 

          *               * 

 

  この本を書くことで著者が目指したこと……終章で言われています。

 本書では、最初にまず、これまでの世界史教科書がどれくらい偏っていたかを明らかにしました。次に、モンゴル帝国に代表される中央ユーラシア草原の遊牧民の立場から世界史を書き直すと、これまでの世界史がどれくらい違って見えるかを、ヨーロッパやロシアや中国を例にとって、あれこれ実例を示してきました。

 自分たちで過去を都合よく書き換え、自己正当化した歴史ではなく、別の立場から客観的に見ると、世界史はこんなに違って見えるということが、読者のみなさまにも、かなりはっきりわかっていただけたのではないか、と思います。(P264)

 

 

  いま世界の国は国連加盟国で193ヶ国あるのですが、それぞれが国の歴史を持っています。

 第二次世界大戦前は60ぐらいの独立国しかありませんでした。多くの国はヨーロッパの列強によって植民地支配され収奪されていて、独立を果たしたのは戦後のことです。

 ぼくたちが教えられて来た世界史は西欧中心の世界観といえます。そういうことを考えると、世界の体制はやはり強い国を中心にできているような気がします。

 

 

 歴史をどう考えるか、こう書かれています。 

  •  紀元前五世紀に書かれたヘーロドトスの『ヒストリアイ』から歴史が始まった。このヒストリーという言葉は、物語という意味のストーリーと語源が同じ。
  • そのストーリーが国によって異なる。世界観も歴史認識も違う。
  • それで自国に都合のよい歴史が作られる。

 

 日本ではほんとうの歴史が教えられていない,と思うのです。その原因は、戦後のGHQ ウォーギルトインフォーメーションプログラム(WGIP)で洗脳され、戦前の歴史を否定する自虐史観を植え付けられたからでしょう。日本では、戦前が否定され歴史が断絶しているのです。また、それをよしとしてきたからです。

 

 中共北朝鮮も韓国も自国の歴史観に基いて反日教育を行っています。そしてそれが「正しい歴史」だとされています。洗脳教育の恐ろしさも感じますし、そういうことではお互いの国が理解し合うことは難しいと思ったりします。

 慰安婦問題も南京大虐殺朝日新聞がでっち上げた嘘なのてすが、それが中共や韓国に利用され日本を責め貶める外交カードとして使われています。

 まるで歴史の事実や真実などはどうでもいいようです。反日教育によって、間違った歴史で濡れ衣を着せられていることは、日本人としては耐えられないことです。戦争で犠牲になった祖先の人たちに申し訳が立たないと思っています。中共のように反日のために操られている政治の世界は怖ろしいです。

 

 

 著者は、「新しい世界史を書くときに気をつけるべきこと」というトピック(P268)でこう述べています。

1 歴史に善悪二元論を持ち込まないこと。歴史は法廷ではない。

2 自虐史観は歴史ではなく、政治である。

3 「日本列島だけが日本」という考えは『日本書紀』の枠組みに囚われ過ぎている。

4 「日本文明こそ世界一古く、君主は万世一系だ」という日本中心史観は偏狭。

 

 自国の立場を正当化するために書かれる国史をどんなに集めても、世界史にはなりません。国民国家がまだ存在しない時代の歴史を、国民国家史観という現代の枠組みで書くのは誤りであるということを、私たちは自覚しなければならないのです。(P278)

 たしかに、ややもすると常識になっている現代の視点で過去を見てしまう事があります。陥りやすい間違いです。歴史はそのときに生きていた人々の視点でみなければならないでしょう。

 

 

          *               * 

 

 この本は、1章から9章まで、詳しく歴史の事項が解説されていて読み応えがありました。

 

 1章、2章は、「なぜモンゴル帝国に注目するのか」という答えに当たる部分です。モンゴル帝国の世界史への関わりと、その成立が書かれています。

 

 3章の、P84。「魏・呉・蜀の〈三国時代〉に漢族は絶滅した」というトピックを含んでいる中国の歴史は、中国への見方を変えるものでした。

 P93では、北宋の時代にどうして〈中華思想〉が起こったのか、説明されています。正当性に固執しなくてはならないほど、軍事的には独立しておらず脆弱だったということが原因だったのです。常に敵に支配される恐れがあったので「自分たちが世界の中心だ」と考えて恐怖を払う必要があった……

 

 

 4章では、モンゴル軍がヨーロッパを征服寸前だったことが描かれます。

 13世紀のモンゴル帝国を中心にすえるからこそ、世界の動きが見えてきます。モンゴル軍の移動は文化の移動でもあった。ヨーロッパの大航海時代も、近代化もモンゴル帝国の圧力がもたらしたものでした。

 

 5章はロシアの成立です。モンゴル帝国の影響が13世紀から17世紀末まで続いたことが描かれます。ここではモンゴル帝国の圧力のもとで北方の民族がどう生き延びていくか、に興味を惹かれました。

 

 6章は満州の成立です。

1588年、ヌルハチ建州三衛を統一し、これをマンジュ・グルン(国)と称した、とのちに言われます。(P158)

 このマンジュが後の満州という名前となったのです。P159~162にはその歴史と、地誌が記述されています。

 明は、モンゴルのホンタイジが建てた〈大清〉との戦争によって疲弊していました。

 流賊の李自成が北京を支配。

     ↓

 将軍の呉三桂満州人に救けを求める。

     ↓

 清のドルゴンが紫禁城を攻め、李を追い出す。

     ↓

 1644年、明が滅び、清のシナ支配が始まる。

 

 P179に当時の清の版図が示されています。

 

 

 7章はロシアと清の関係です。

 モンゴルとロシアの国境線を定めたキャフタ条約の事情や、遊牧民の最後の帝国だったジューンガルが清朝の最大のライバルだったことが語られます。モンゴル帝国の勢力図が世界史に影響を与えました。

「ロシアによる中央アジア支配はつい最近のこと」というトピックに書かれていたことには目からうろこが落ちました。

 

 

 8章、いよいよ大日本帝国が世界史に登場します。この時代になると予備知識もあるので出来事の経過もよくわかり、スムーズに理解することができました。日露戦争の後、「日本が清国から獲得した権益は、満州を軍事占領していたロシアから引き継いだ」ものです。それに対して清や英米が抗議してきたので、伊藤博文は鉄道の権益を残して、占領政策を止め軍隊を引き揚げました。満州鉄道は駐屯軍が守ることになりますが、これが後の関東軍となっていきます。

 ロシア革命、モンゴルの革命があり、中国人のナショナリズムが高まって反日運動が盛んになったのは、1919年の、コミンテルンが裏で指導した5.4運動からです。その後、満州事変万宝山事件が起こることになります。

 

 9章のタイトルは「満州国の遺産が中国に近代化をもたらした」です。 

  • 日清戦争に負けたことで、中国は衝撃を受け、近代化を目指した。それで多くの留学生を日本に送り込んで学ばせた。
  • 中国が封建主義を脱し近代化できたのは、日本で学んだ留学生の力と、民主化運動を援助した日本の大アジア主義運動があったからです。(これは『昭和史』で学びました)
  • そして満州国の資産を利用できたからです。

 

 戦争末期、ソ連の参戦によって満州は地獄になりました。引揚者の財産は強奪され、強姦され、殺され、捕虜はシベリアに送られました。そこで10万人が亡くなったといわれます。

ironna.jp

 

 中共は内戦に勝利した後、一度も中国の版図になったこともないモンゴル、ウイグルチベットを侵略、支配しました。民族浄化と弾圧は、いまも続いています。

 

 

 

          *               * 

 

 

 この本でモンゴル帝国の覇権から世界史を見るという、いままで考えたことがなかった視点から歴史を見ることを学びました。

 

 歴史は出来事の集積なので、解釈は自由です。

 自分の国に都合よく歪曲することがほとんどです。そういうことを知った上で〈先入観を持たずに歴史のほんとうの事実を知る〉ことが必要だ、と思いました。

 

 

 

  

 

  ……     ……     ……     ……     ……     

 

 

 

   「つらら」

 

夜に

吹いた

風が

湖面の水を

巻き上げ

作られた

つららは

力の

方向に

曲がって

朝の

輝きと

冷気に

透きとおり

芯が

真珠のように

光る

霜が

地表を

覆って

枯れて

凍った

草のなかで

人は

震えるが

空気は

澄んで

空は

遠くまで

青く

光に

満ちている

 

 

  

 

 

 

 

………………     ………………     ………………     …………

 

 読んでいただいて、ありがとうございました。m(__)m

 誰もが穏やかで、幸せでありますように。