日の記し ★ヾ(´・ω・`)ノ.: 。☆彡 ・☆

社会の底辺で生きてきて68歳になってしまいました。ここでネガティブなことも肯定できる視点を持ちたい。いまはブログがあるので寂しくありません。訪問してくださる人に感謝しています。ありがとう。

『積極財政宣言』(島倉原 新評論2015年刊) / 「夜」

 おはようございます。

 路面は濡れていますが雨は降っていないようです。暖かい朝です。

 昨日のニュースによると、やはり親韓派の公明党と二階氏が出て来ました。安倍総理に「平昌オリンピックに行くべきだ」というのです。約束も破る信頼できない国に行って何ができるでしょうか。また「謝れ」「賠償しろ」と喚き散らされます。反日でしか生きることができない国です。もっと距離を置くべきでしょう。

 

  

 

          *               * 

 

 

 

  2015年4月に刊行された本ですが、サブタイトルにあるように〈アベノミクスでは豊かになれない〉と断言しています。それに惹かれて読んでみました。

 著者は経済学の学者でなく、主流派経済学に批判的な評論家のようです。「内生的景気循環論」でもあります。 

積極財政宣言: なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか

積極財政宣言: なぜ、アベノミクスでは豊かになれないのか

 

 

  実質賃金が上がらなければ豊かさを実感できないし、経済も活性化しないことは、これまで三橋貴明さんなどの本を読んで見て来た通りです。給料が上がらないと節約のために買え控えするので不景気が好転しないことなど誰にでもわかります。

 著者も3年前にすでに、財務省主導の緊縮財政を否定し財政出動を目指すべきだと、指摘しています。 

 こういう声があるのに、経済政策には反映されない。なぜなのでしょう。

 財務省のやりたい経済政策は緊縮財政と増税です。デフレであっても、それがずっと基本の方針として続いているのです。

 

 どんな業界にも既得権益という闇があります。国会議員に政策をアドバイスする経済学者の業界も財務省の政策を補完することで既得権を得ます。だからなかなか変わらない。

 官僚は〈事なかれ主義〉で、学者の業界は既得権で、国会議員は多数について……これでは不況を打ち破ろうという動きが出てきません。真剣に庶民の生活を豊かにしたい、という気持がないように思います。

 

目次 

1章 「積極的財政宣言」とは何か

2章 失われた20年を検証する

   1)長期デフレが説明できない主流派経済学

   2)貿易デフレ説の問題点

   3)人口減少説は明らかな誤り

   4)バランスシート不況説も現実と矛盾

3章 金融政策か、財政政策か

   1)アメリカ大恐慌を検証する

   2)昭和恐慌を検証する

   3)根拠に乏しい期待インフレ理論

   4)リフレ派が曲解するマンデル=フレミング・モデル

4章 内生的景気循環論で読み解く日本経済

   1)財政政策の有効性をめぐる議論

   2)内生的景気循環論とは何か

   3)現代によみがえる内生的景気循環

   4)日本経済を動かす景気循環メカニズム

5章 経済政策のあるべき姿

   1)積極財政こそが健全財政

   2)積極財政こそが成長戦略

   3)公共投資復権せよ

   4)積極財政によるエネルギー政策の再構築

6章 おわりに

   ――「よりよい社会」を実現するために

 

 

  目次をみてもわかるように、経済政策の詳しい解説と分析から、〈積極財政〉を勧めています。積極財政とは〈政府支出の拡大で需要不足を解消すること〉です。

   

 著者は内生的景気循環論者です。

 内生的景気循環論とは、経済が好景気と不景気を繰り返す原因を外的要因のみに求めるのではなく、人間の経済活動それ自身のなかに、好景気から不景気へ、不景気から好景気へと切り替わるメカニズムが内蔵されているという世界観である。(まえがき)

 

  P136からの「内生的景気循環論とは何か」ではこう解説されています。

  • 資本主義初期には景気循環が十年周期で起こっていた。この分析は経済学者ではなく、むしろ実務家主導で行われた。(イギリスのトーマス・トゥーク、ューヴァーストーン卿)
  • さまざまな循環説が登場するが、シュンペーターの『景気循環論』にまとめられた。
  • 『経済分析の歴史』では、投資が誘発されてから結果が出るまでのタイムラグが不況を引き起こす、とした。
  • しかしアダム・スミス以来の主流派経済学は、〈市場メカニズムによって最適化し均衡する〉という発想から逃れられない。不況は外的なショックによる一時的な混乱で偶然の産物とみなす。
  • 主流派経済学は「合理的経済人」を想定するが、現実には、そうではない。現狀から推理して、損失が最小になるように行動する。それが現実なのだ。

 

 著者はP148で主流派経済学の考え方を紹介して、それを批判しています。 

 これに対して、主流派経済学では、人々の合理的な期待が究極的には将来と一致することを前提としている。たとえば、経済学者の小野善康氏(1951~・大阪大学教授)は、その著書『不況のメカニズム、ケインズ『一般理論』から新たな「不況動学」へ』(中公新書、2007年)において、

「予想収益についての悲観が投資不足を引き起こし、そのときには金利が下がっても投資はなかなか増えず、経済活動が停滞するというケインズの洞察は、大変説得的である。しかし、それが景気の循環的な動きを生み出すという点については疑問が残る。実際、現代の動学的マクロ経済学が仮定しているように、企業が投資の収益性の変化を正しく予想しているなら、通常、循環は起こらないのである」(同署136ページ)

 と述べ、ケインズを内生的景気循環論者と捉えたうえで、主流派経済学の立場からそのことを否定的に評価している。

 しかしながら、「企業が投資の収益性の変化を正しく予想している」という仮定自体、『一般理論』第12章でも否定された非現実的なものである。小野氏の議論は、いわば主流派経済学というベッドの丈に合わせて足を切るようなもので、本末転倒と言わざるを得ない。(P149)

 

 主流派経済学との違いがわかると思うので……長い引用をさせていただきました。

 つまりいまの経済学は理論を優先的に考えて、現実に合わないことも強引にその理論で説明してしまっているのです。そうではなく、現実に行われていることが大事だということです。

 

 

 

          *               * 

 

 

 メモしながら読んだのですが、学説においてはどちらが正しいかわかりませんが、少なくとも……現実的なデータによる経済観の、

  • 誰かの支出は、誰かの所得である。
  • 誰かの金融資産は、誰かの負債である。
  • 価格は、需要と供給の反映。

という単純なところから組み立てる政策のほうがいいように思います。

 であれば、デフレなのですから、需要不足をなんとかして解消してやらねば景気は回復しません。結論をいえば、緊縮財政をするのではなく、財政出動をするべきです。

 

 

 2章ではアメリカ大恐慌を分析し、ケインズ革命の実績を語っています。また、後の、新古典派経済学フリードマンマネタリズム)の理論を紹介し、マネタリーベースマネーストックについてP63において図で解説しています。

 

 アメリカの大恐慌や日本の昭和恐慌のグラフからわかることは、「緊縮財政は経済全体の所得を減らして状況を悪化させる」のに対し、「積極財政が需要不足を補うと共に民間の所得を増やし」景気の回復につながる(P76)、ということです。

 

 気軽に読み始めたのですが、経済用語についても知ることができましたし、現代の経済に至った経過も勉強することができました。

 

 6章「おわりに」書かれているように、

「政府の経済に対する関与を小さくし、経済の自由化・市場化を進めるほどうまくいく」という主流派経済学によるフィクション、あるいは「財政赤字や政府債務は危機的な高水準にあるのだから、政府は支出削減を徹底させなければならない」という現実と矛盾した議論は、マスコミ報道やいわゆる専門家の言説として氾濫し、一般国民にも影響を与えている。(P256)

のです。

 

 プライマリーバランスの黒字化目標や緊縮財政政策は、経済の不活発を招くだけです。増税などしても政府の収入が増えて赤字が消えるだけで、不況からは立ち直れません。財務省はそういうことがわかっているのでしょうか? 財務省の職員の人は普通の人よりも給料が多いから、不景気の影響をモロに受けないけれど……官僚や経済界の人たちは「自分たちさえ良ければいい」という考えなのでしょうか。庶民の立場に立って経済政策を進めてほしいです。

 政府は日銀を通じて通貨を発行できるのですから、基本的に負債は赤字ではないのです。家計簿とは違う。むしろ企業が借金をして投資し、儲けにつなげるのに似ている。

「政府の負債は国民にとっては所得」です。〈誰かの負債は誰かの資産〉なのです。

 そう考えると、やはり需要不足を解消するための財政出動という政策が真っ当のように思えます。

 

 労働者の賃金を抑えて経済成長しようというのは無理です。企業は、自分たちだけ利益を得ようと考えるのではなしに、労働者も含めた社会全体のことを考えて活動してほしい。そのほうが結果的に企業も成長するのです。

 低賃金労働を固定化する移民政策では不況から脱却できません。むしろ社会の混乱を招くだけです。社会保障の削減も社会を萎縮させるでしょう。増税は経済を縮小させるだけです。いまの政策は低賃金労働者を増やすことで、統計では経済が活発になっているように見せかけているだけです。

 

 

 

  ……     ……     ……     ……     ……     

 

 

 

   「夜」

 

凍った

木が

裂ける音がする

風が

吹いている夜

巣に

こもる

鳥のように

冬の

重さに

耐える

こごえる

手や足が

自分なのだ

どうしようもない

後悔は

残っているが

朝は

来るだろう

朝日に

輝く

息は白く

霧は

山を

包むだろう

 

 

 

 

 

 

………………     ………………     ………………     …………

 

 読んでいただいて、ありがとうございました。m(_ _)m

 誰もが穏やかで、幸せでありますように。