日の記し   ★ヾ(´・ω・`)ノ.: 。・☆彡 ・☆

社会の底辺で生きて来て67歳になってしまいました。そこから見える風景や、読んだ本の感想や、ネット検索でわかったことなどを書きます。生きることは辛いこともありますが、何をしても生きて行ける。仏教を生きる支えにしているので、そのことも書きたいです。リンクを貼らせていただくサイトの方々に感謝します。

映画 『旅芸人の記録』の思い出 / 「光」

 おはようございます。

 秋雨前線は停滞して昨日からずっと雨が降り続いています。今日も一日、雨のようです。雨って、ずっと見ていると不思議です。地球の空は水蒸気で覆われている。

 

  

 

          *               * 

 

  

  沖縄から大阪に返って来た26歳の頃に、この映画に出会いました。いまでも忘れられない。全体がギリシャ悲劇の構成になっていて、劇中劇もある。重層的です。それにギリシャの近・現在史が重ね合わされています。

   (リンクさせていただきます。感謝します)

ドラマ化しにくいギリシャ独立物語「物語 近現代ギリシャの歴史」(村田奈々子) – やわなべ.net

 

www.youtube.com

 

 たんにギリシャの異邦の風景が珍しかっただけなのか……ずっと軍事政権が続いてきたというギリシャの歴史をわからないまま観ていました。芸術的表現にも感動したのです。

 ここに大雑把なプロットが書かれています。

 旅芸人の記録 - Wikipedia

 

 

          *               *

 

 

旅芸人の記録』と『霧の中の風景』しか観ていないので、テオ・アンゲロプロスさんの映画について語るのはおこがましく、間違っているかも。

 

 なぜテオ・アンゲロプロスが好きかというと〈静か〉だからです。それがすごく印象に残る。

 佇むシーン。観客に向かって、何か、訴えかけているようなのです。時間が立ち止まっている。 

 一つのシーンの長回し。それが好きです。 

 

 静かな、沈黙のシーンが目立つ映画監督としては、他に、ロシアのタルコフスキーもいます。 

アンドレイ・タルコフスキー映画作品

 

 

 カメラは映画を観ている観客の視点です。

 風景をどう切り取るかということや、カメラワークの意味については、批評家の人たちのテオ・アンゲロプロス論があります。

   (リンクさせていただきます。謹んで感謝いたします。m(_ _)m)

 

 深く読み込まれていて物語の意味が解説されています。そのシーンがどのように撮られたのかもわかります。

CineMagaziNet! no.16 畑中啓 テオ・アンゲロプロス映画研究

人生論的映画評論・続: エレニの帰郷(’08)     テオ・アンゲロプロス

人生論的映画評論: 霧の中の風景('88)   テオ・アンゲロプロス

人生論的映画評論: エレニの旅('04)     テオ・アンゲロプロス

人生論的映画評論: シテール島への船出('83)       テオ・アンゲロプロス

人生論的映画評論: 永遠と一日('98)        テオ・アンゲロプロス

〜TOMOHISA SUZUMURA’S CRITICAL SPACE/鈴村智久の批評空間〜 永遠の夏はどこにあるのか?――テオ・アンゲロプロスが『永遠と一日』(カンヌ国際映画祭パルムドール受賞)に込めたメッセージ

 

 

 テオ・アンゲロプロスの映画は、観ていて、気持が静かになってゆくのがいい。その〈静かさ〉には、時代が作り出す〈悲惨〉や、事件に巻き込まれざるを得なかった人々の〈抗議〉も表現されているようです。

 複雑にからみ合う時間。現在のシーンに過去の記憶が割り込んでくる。あるいは幻想……。

 出来事の意味を問う。

 歴史上の事件が描かれることで、その時代の人々の生き方が表現されています。軍事政権の弾圧や拷問の記憶。それらが背後にあり、重層的に描かれたテーマを感じさせる。

 それで動きのない静かなシーンが好きなのかもしれません。

 

 

 

           *               * 

 

 図書館でこの本を借りました。 

 シナリオを読むと、彼の映画の世界に入って行けます。 

テオ・アンゲロプロス シナリオ全集

テオ・アンゲロプロス シナリオ全集

 

〈シナリオ全集〉

再現

1936年の日々

旅芸人の記録

狩人

アレクサンダー大王

シテール島への船出

蜂の旅人

霧の中の風景

こうのとり、たちずさんで

ユリシーズの瞳

永遠と一日

 

  DVDも売られています。

www.amazon.co.jp

 レビューでは、多くの人が「難解」と言いながら、分析されています。 

 ぼく自身は、DVDを買うまでの心酔したファンではありません……たんに長回しの静かなシーンに憧れる素人にしか過ぎないので。

 

 

          *               *

 

テオ・アンゲロプロス - Wikipedia

  

  • 「1936年の日々~旅芸人の記録~狩人」は現代史三部作といわれています。戦前からファシズムの時代を経て、戦後の内戦と軍事政権の圧政……それらの歴史を描いたものです。共産主義への賛同も感じられたりします。
  •  「シテール島への船出~こうのとり、たちずさんでユリシーズの瞳」は国境三部作といわれています。テーマは〈国境〉。流され漂流する人々を描いています。
  • 「エレニの旅~第三の翼~」は20世紀三部作といわれているそうです。

 

 

          *               *

 

 テオ・アンゲロプロスは重いテーマを描く映画監督です。

 観ている者に「現実をもう一度、見直そう」と思わせるというか。考えさせる。そのことで世界が広がる。〈発見する〉きっかけになる。

 ギリシャの歴史を知っていると理解しやすいのですが、映画だけでもその表現が楽しめます。  

 娯楽映画の対極にある、考えさせる映画、純文学的な映画。

 ぼくは2本しか観ていないのですが……アンゲロプロスを好きになるのにそれで十分でした。

 

 昔、よく観たアート的な作品は見なくなりました。年をとったこともあるし、「表現がうざい……」と感じてしまうからです。

 ずって底辺で生活していたので〈理想〉とか〈観念〉的なもの信じられなくなりました。文学的なものを拒否したい思いがあります。テクニックに乗せられるのが悔しい……自然な表現でありたい、と考えるようになった。

 通俗になっただけかもしれません。(^_^;) 現実的でありたいのです。

 

 それでも〈長回しの静かなシーン〉は好きです。

www.youtube.com

www.youtube.com

 「テオ・アンゲロプロス」で検索すると、様々なサイトが出てきます。多くの人が監督を認め、愛しています。

  

cinema-rank.net

 

 

 

          *               *

 

2017年、新世界への「扉」はどこまで開かれるのか WEDGE Infinity(ウェッジ)

 難しいことはわかりませんが、既存のシステムは前のシステムを壊して作られたものでしょう? では、次の時代もいまある既得権益を壊して作られてゆくでしょう。

 閉塞感や格差があっても、若い世代は生まれてきて、大人になってゆく。社会は続きます。終わりにならない、というか、終わりにできないのです。

 だから、希望はいつもある気がします。

 

  監督の考えが述べられています。

www.youtube.com

 

 

          *               *  

 

  

 子どもが主人公の映画は泣いてしまう。

 ラストシーンが好きです。

www.youtube.com

 

  いつか他の作品も観る機会ができると思います。ずっと憧れているんです。

  

 

 

 

 

  ……     ……     ……     ……     ……     

 

 

 

   「光」

 

木の葉の

あいだから

朝日が

輝いて

オレンジ色の

光背となり

矢のように降る

世界が

新しくなる朝

光に満たされた

森の

時間が

目覚める

木の陰も

薄くなり

石も

露にきらめいて

声を上げる

沈黙から

解放された

鳥が

さえずり

仲間を呼んでいる 

 

 

 

 

 

 

………………     ………………     ………………     …………

 

 読んでいただいて、ありがとうございました。m(_ _)m

 誰もが穏やかで、幸せでありますように。