日の記し   ★ヾ(´・ω・`)ノ.: 。・☆彡 ・☆

社会の底辺で生きて来て、68歳になりました。そこから見える風景や、読んだ本の感想や、ネットの検索でわかったことなどを書きます。生きることは辛いこともありますが、何をしても生きてゆけると思っています。仏教は生きる指針です。リンクを貼らせていただくサイトの方々に感謝します。

『血盟団事件』 を読みました / 「湖面」

 おはようございます。

 朝方は寒くなってきました。シュラフに潜り込んで寝ています。朝方に眠りが深くなって……

 

  

 

          *               * 

 

 

 二週間もかけて昭和史を読んだからか、「なぜ日本は、戦争に向かったのか……そんなに熱に浮かされたようになったのだろう」と疑問に思っていました。

 

 皇国史観が2.26事件を引き起こしたのは確かですし、当時は〈国体〉というものを考えることが知識人の基本でもあったようです。

 国の在り方とか、革命を考える風潮があったのだろうと思います。どんな国を作るか、そういう時代だったようです。

 5.15も2.26事件も、右翼のほうからのテロ、革命運動です。

 

 当時、叫ばれていた〈アジア主義〉というのはなんだろうとも思いました。

 図書館で歴史の棚を眺めていて、『アジア主義』(中島岳志 潮出版社2014年)という本を見つけたので、読んでみます。また感想を書きます。

 

 なぜそんなことを考えたか、というと、70年代に中核派のシンパだったからかもしれません。傍からどう見えるかわかりませんでしたが、その頃、気持の中では「革命しなきゃ……」なんて思っていたのです。純粋だったともいえる……三里塚反対闘争のデモに参加しているだけだったのですが。

 いまでもそういう人たちがいる、と思うのです。「世の中が間違っているから、糾さなきゃ……」と考える人たち。そういう人は一定数、いる。

 

 以前から近所の区民図書館にあるのを知っていた…… 

血盟団事件 (文春文庫)

血盟団事件 (文春文庫)

 

 をまず読んでみました。

 

 目次をめくったところにある1932年当時の顔写真と年齢をみると、井上日召は45歳ですが、他はみんな若い。帝大生もいるし元教員もいる。平均すると23歳ぐらいです。

 こういう人たちが〈一人一殺〉のテロ事件の主役だったのです。

 どういう思いで関わったのか? 知りたい。

 

血盟団事件 - Wikipedia

 の解説です。

 

 このテロがきっかけとなって5.15事件につながるのです。

 それで政党政治が終焉し、軍部が権力を握ることになります。

 

 「終章」のP387に「血盟団事件とは何だったのか」という項があります。

  • 背景には経済的不況による庶民の農村の生活苦があった。
  • エロ・グロの世相。貧しさによって売られた女性たちは売春するしかなかった。
  • 政治不信。政党は足を引っ張り合うばかり。時代の閉塞感。特権階級の存在。
  • 変革としての日蓮主義。信仰からテロへ。自己犠牲のスピリチュアルな宗教行為としての革命。
  • 「一君万民」の国体があった。
  • 君側の奸は除去しなければならない、という考えがあった。

  

 目次を書いておきます。

第1章 若き井上日召

第2章 煩悶青年と護国堂

第3章 革命へ

第4章 一人一殺

終章

 

  1章井上日召の伝記。若き日の煩悶。これは時代の影響がかなりあるようです。知識人的な悩み……というか当時の青年の哲学的な問題意識。そして大陸放浪。満州に行って満鉄社員になるのですが、そこで満州国建国のための謀略というか革命運動に加わっています。当時は大陸浪人という存在があったのです。いわば中国の軍閥に関わりながら日本軍のスパイをしている立場の人たち……

 故郷の群馬県川場村に帰っての禅修行。神秘体験。神がかり。

 国柱会西田税との出会い。大洗の護国堂で国家改造のためのグループ作り。

 

 2章は古内栄司の物語が語られます。貧困や病弱の体験から法華信仰に。日召との出会いと教師たちのグループの形成。

 小沼正の生い立ち。左翼運動への敵意。資本主義への反発。底辺の生活。法華経の信仰。

 菱沼五郎の場合。井上の説く理想社会に納得する。

 井上の国家観や革命思想に染まった青年グループが形成される。国家社会主義をどう考えるか。中核にあったのは題目を唱える神秘体験。

 

 これらのことが具体的なエピソードを並べながら書かれています。

 運動の中心にあるのは宗教的な結束です。そこに観念的な革命思想が結びつきます。この章を読んでいると、当時の世相、貧困や青年の置かれた状況がよくわかります。

 

 30年11月には浜口首相狙撃事件が起こります。

濱口雄幸首相が東京駅で右翼青年に狙撃され重傷を負った日 - 今日のことあれこれと・・・

 

 

昭和史略年表(元年〜25年)

http://chushingura.biz/p_nihonsi/episodo/201_250/245_01.htm

 にリンクさせていただきます。m(_ _)m 年表をみると、この時代のテロ事件や時代状況がよくわかります。政治的な事件が突出しています。

 

 3章の「革命へ」では四元義隆のことが語られます。帝大で出会った池袋正釟郎。彼らは急速に国家主義に傾きます。そして井上などの宗教家や軍人と交際することになります。

 1931年頃には国家改造の革命運動は世相を賑わすようになります。三月事件

 

 4章には、血盟団のメンバーの暗殺実行に向けての具体的な行動が描かれています。また四元や池袋が心酔した護藤思想の内容が解説されています。この護藤宅にメンバーが終結して、テロの計画が実行されることになります。

 

 

          *               *

 

 本を読んだ感想です。

 この血盟団事件というテロを実行する青年たちの気持にあったのは、理想社会を求める〈観念〉だと思います。それはロマンチックともいえる美意識でした。それに「自己犠牲」というヒロイズムで飾られていたのです。

 客観的にみれば、自己満足にしか過ぎないのですが……時代の雰囲気がそうだったのでしょう。

「白か、黒か」で分ける極端な考え方は間違っている。

 いつの時代も、青年たちは過激になりやすい。それだけ時代に敏感で真面目に考え過ぎるからだと思うのです。極端なものの前では、立ち止まって考えたほうがいいのです。

 

 

 

 

 

  ……     ……     ……     ……     ……     

 

 

 

   「湖面」

 

ふいに

魚が跳ねた

水しぶきは

見えたが

音もない

静かな

湖面には

森影が

映っていて

魂が

吸い込まれる

気がする

浮草の

葉が

ゆっくりと

揺れるのは

その下で

魚が

動いているからか

自分が

ここにいるのは

偶然ではないだろう

生かされている

 

 

 

 

………………     ………………     ………………     …………

 

 読んでいただいて、ありがとうございました。m(_ _)m

 誰もが穏やかで、幸せでありますように。

 よい週末をお過ごしください。

 また月曜日に。