日の記し   ★ヾ(´・ω・`)ノ.: 。・☆彡 ・☆

社会の底辺で生きて来て、68歳になりました。そこから見える風景や、読んだ本の感想や、ネットの検索でわかったことなどを書きます。生きることは辛いこともありますが、何をしても生きてゆけると思っています。仏教は生きる指針です。リンクを貼らせていただくサイトの方々に感謝します。

『「その日暮らし」の人類学』 / 「雨」

 おはようございます。

 すごく蒸し暑い朝です。最低気温が22度もあるんです。大阪は建物が詰まっているし、風もないです。午後から天気は下り坂になって、にわか雨も降るらしいのです。 

気象庁|平成29年の梅雨入りと梅雨明け(速報値)

 去年の大阪市の梅雨入りは6月4日だったのですね。

 

 今年の夏は暑いという予想ですが、どうなんだろう。 

 

 

 

          *               *  

 

  タイトルに惹かれて読んだ本です。

「その日暮らし」の人類学?もう一つの資本主義経済? (光文社新書)

「その日暮らし」の人類学?もう一つの資本主義経済? (光文社新書)

 

  著者は文化人類学者で、いまは立命館大学大学院准教授です。

 タンザニアと香港周辺でのフィールドワークを通じて気づいたことを書いています。

 世界は資本主義に覆われているようにみえますが、完全に資本主義化されていない場所もあることを描いています。――貧困と格闘しながらの「その日暮らし」というたくましい空間です。

 

 描かれている「その日暮らし」の実態は、高度な資本主義社会になる以前、先進国だって経験したことだと思い当たります……

 

 目次です。

プロローグ Living for Todayの人類学に向けて
第一章 究極のLiving for Todayを探して
第二章 「仕事は仕事」の都市世界――インフォーマル経済のダイナミズム
第三章 「試しにやってみる」が切り拓く経済のダイナミズム
第四章 下からのグローバル化ともう一つの資本主義経
第五章 コピー商品/偽物商品の生産と消費にみるLiving for Today
第六章 <借り>を回すしくみと海賊的システム
エピローグ Living for Todayと人類社会の新たな可能性

 

 完成された資本主義社会――日本は、息苦し過ぎます。

 安定した豊かな生活をしようと思えば、いい会社に入らなければならないし、そのためにいい大学に入学しなければならないし、その勉強のためには良い環境の家庭でなければならない。

 落ちこぼれる生き方は許されない。というか、負け組になって、格差の悲哀を経験するのは嫌だと誰もが思っている。

 社会全体は豊かでも、個人にかかるプレッシャーは、個人を潰すほど強烈です。

 

 この本は、

Living for Today」――ひとまず、〈今日を生きる生き方があるのだ〉というレポートです。 

……改めて気づくことは、わたしたちは身近な怠け者に憤りを感じつつも、怠け者に憧れているという単純な事実だ。この憧れの根本には、本性に従い自然に生きることへの憧憬があるのかもしれない。(P17)

 

 著者は「インフォーマル経済」と呼ばれる政府の統計には出てこない、偽装失業者や不安定な就労貧困層がどのように稼いでいるか、の実態を知ろうとします。そのためにそのなかに飛び込んでいきます。

 

 1章――資本主義の論理とは違う「お互いが助け合う慣習が根付いている農村地域」では他人より豊かになってもしかたがない……ということで〈最小努力〉の生き方が受け入れられている。とにかく訪問されると食事を出すことが慣習になっているので、自分たちが困窮すると誰かを訪ねればいいし、誰かが来るのが困る場合は、それを避けるためにいろんなアイデアで切り抜けることになる。

 

 2章では都会の「その日暮らし」が描かれています。

 彼らは貧しい。でも「前へ、前へ」の精神があって楽天的だ。楽天的でないと貧困に敗けてしまう。 

  著者の実際の体験からレポートしているので、おもしろいです。

 

 3章はタンザニアの路上商人、零細商人たち。「試しにやってみて稼げないとわかったら転戦する」というスタイルがある。

 

 4章――中国での商品の買い付けに同行します。中国でのアフリカン・マーケット。多民族の混在と交易の現場を描いています。

 

 5章は中国のコピー商品についての考察。作る側である中国のレポートと、買う側(使う者)のタンザニアの人々の本音を調査します。品質は良いが、高価過ぎる日本製品には手が出ないのです。すぐ壊れても「最低限を満たしたコピー商品」のほうが生活に対して合理性がある。

 

  6章――タンザニアでのかっての〈借り〉という負債の変化。携帯電話での送金サービスの発達で資本主義的な〈借金〉に変化したこと。また借金返済を引き伸ばすために携帯を持っている仲間のネットワークが使われる。誰が誰にどれだけ借金しているのかわからなくなる状況になっている。

 

 

 

           *               * 

 

 

 タンザニアという国の生活が覗けるのもおもしろかったし、体験したことを書いているので、まだ資本主義化されていないところでの商売や生き方に、人々のバイタリティを感じました。

 現実を「今を生きる」精神で乗り切ってゆく。

 なんか元気になってしまう本です。何をやっても生きられる、と思えるからでしょうか。

 庶民には社会の体制がどうであろうと関係ありません。生きていけるだけのお金を稼ぐことができたらいいのです。どんなところでも暮らしていくためのネットワークが必要で、それを作り出してゆく。

 きっちりとした資本主義であっても、そうでなくても、タンザニアの人たちにとって現実は過酷なのでしょうが、それにめげていては何にもならない、そういう感想を持ちました。

 どういう社会体制でも、貧しい人はいます。

 ぼくもそうですが、何とか生きてゆくことができたらいいのです。他のことは二次的な問題に過ぎません。

 

 

 

 

 

  ……     ……     ……     ……     ……

 

 

 

  「雨」  

 

霧のような雨が

木の影を

浮かび上がらせる

知らない道を

歩いてきた

見上げると

枝は

手を伸ばし

空を覆い

ここがどこか

わからなくなる

枯れて

腐った葉が

積もっている

この先には

なにが

待っているのだろう

 

 

  

 

 

………………     ………………     ………………     …………

 

 読んでいただいて、ありがとうございました。m(_ _)m

 誰もが穏やかで、幸せでありますように。