読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

 日の記し   ★ヽ(´・ω・`)ノ 。・☆彡 ・☆

底辺で生きてきた67才で、もう老人なんですが、そこから見える風景を書きます。読んだ本のまとめや検索してわかったことなどをメモします。生きることは辛いですが、何をやっても生きていけると思うのです。仏教を生きる支えにしているので、そのことも。リンクを貼らせていただくサイトの方々に感謝しています。

『幸福の経済学』 / 「山」

 おはようございます。

 今日は6月並みの快晴で暑くなるそうです。今朝はちょっと寒いのですが、放射冷却というものなんですね。

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

 

 

          *               * 

 

 「幸福とはなんだろう」と考えることが多いです。

 ぼくの場合〈自分なりの仏教徒〉なので、欲に惑わされず、心が静かな状態、といえるんですが……時々、「いまがいちばん幸せ」と考えます。〈幸せだ〉って思うから、幸せだと感じる。人の心は不思議です。

 

 

 

  この本も経済学関連の本と一緒に借りてきました。タイトルに惹かれたのです。なにが書いてあるんだろうと思って、飛ばし読みでもいいから読んでみようという気持ちがありました。

幸福の経済学―人々を豊かにするものは何か

幸福の経済学―人々を豊かにするものは何か

 

  これは経済学の本ではありませんでした。

「幸福度」について集めた世界の統計データについて解説した本でした。

 

 1章は、著者が考える〈幸福とは何か〉から説き起こされます。哲学的な考察も書かれているのですが……

 

 この本のもうひとつのテーマは、後書きの「訳者の解説」に書かれているように、「幸せな農民と不満な億万長者」というようなことがなぜ成立するか、です。幸福度には、人間の適応能力が深く関わっているらしいのです。

 

  けっきょく簡単に結論をいうと、P36に書かれている、

筆者が研究を行った地域ではどこでも、あるとても簡単なパターンが見られます。つまり、安定的な結婚生活、健康、十分な(それでいて過剰でない)所得などは幸福感にプラスに働く一方、失業、離婚、不安定な経済状態は幸福感にマイナスに働きます。

 ということが、世界の普遍的な事実なようです。国や民族性に左右されないシンプルなこと。それが幸福なのかもしれません。

 

 目次です。

1章 幸福――新たな経済学

2章 幸福とは何か――行為者性と厚生の理論

3章 世界各国の幸福――何がわかっているか

4章 適応理論とその他のパズル

5章 GNHかGNPか?

 

 幸福度というのは周りの環境に左右されます。自分と同じか、すこしレベルが低い人たちに囲まれていると、みんな同じに思え、自分だけが不幸と感じないものです。

 

  何に幸福を感じるか、というのはそれぞれの国で違うようです。ここでは南米やアジアやアフリカのデータを示して……

幸福のさまざまな側面に関する政策的議論が到達し得るゴールの一つは、人々や社会によってこうした選好がいかに異なっているか、そして、どのように公共政策によってこうした選好をより良く実現できるかという評価です。(P105)

 

 まとめとしてこうあります。

  • 国民総幸福の指標を作ることが望ましい。
  • 公共の目的であることに合意が必要。
  • 厚生を評価するためのツールとして利用する。

 

 幸福度というのを評価するのは難しいことです。この本にはそう書かれてあります。それがわかりました。多くの世界各国の統計データを集めてもなお抽象的なのです。

 それでもその国の厚生政策に少しでも反映されるなら、データも役に立つといえる――と書かれています。

 そうなんだろうな、そう思います。じっさいこの本で取られている統計のやり方が正しいのか? そんなふうにまで思ってしまいました。「幸福度」って考えが、抽象的なものだからです。

 先進国や開発途上国でのもっと具体的なエピソードが欲しかった気がしますが……統計データの解説なのでそうはならない。統計を取る人の目線で分析されています。

 

 いろんな幸福のイメージがあるな、と思いました。

 たぶんこういう統計が、社会を評価する時の役に立つのでしょう。

 幸福度を研究する人たちも必要です。著者の履歴を見るとメリーランド大学の教授のようです。それとブルッキングス研究所で高い地位にいるようです。

 

 

 

 ところで5章に登場するブータン国民総幸福量(GNH)を提唱しています。いまも何を基準にするかを考えているようです。ぼくはブータンの考え方のほうが好きです。

 ブータンに惹かれるわけは、〈資本主義の欲望の弊害〉を知っているからです。仏教の国として、その影響を抑える政策をとっています。物が豊かなことは必ずしも幸せに結びつかないと考えているからです。

 

 ブータンは日本の友好国です。文化の根底に仏教的な考え方があることが、日本と似ています。根本的なものが通じ合うというのがいいです。

www.mofa.go.jp

 

  問題も自覚されているようです。

www.nikkei.com

 

  けっきょく、何が幸せかは自分が決めることだと思います。〈幸せがなにか〉の社会的基準を作るのは、難しいのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

  ……     ……     ……     ……     ……     

 

 

 

   「山

 

ここでは

岩に草が生えている

霧の

雨が

降って

水が

石の隙間を

流れている

岩のあいだから

噴き出し

あふれて

すべてが濡れる

うっそうと茂った

名を知らない草

花の

森の匂いで

いっぱい

静かにしていると

ジーンとした

音が

耳の底に

響いている

ブナの木は

曲がって

枝を伸ばし

葉は

光を遮り

道がない

ここから先には

山の

神さまが

住んでいる

 

 

 

  

 

 

………………     ………………     ………………     …………

 

 読んでいただいて、ありがとうございました。

 誰もが穏やかで、幸せでありますように。

 良い週末をお過ごしください。

 また来週、お会いします。