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 日の記し   ★ヽ(´・ω・`)ノ 。・☆彡 ・☆

底辺で生きてきた67才で、もう老人なんですが、そこから見える風景を書きます。読んだ本のまとめや検索してわかったことなどをメモします。生きることは辛いですが、何をやっても生きていけると思うのです。仏教を生きる支えにしているので、そのことも。リンクを貼らせていただくサイトの方々に感謝しています。

『第4次産業革命』 を読む 最終回 /

 

 おはようございます。

「寒い、寒い」といっても何にもなりませんが、寒いです。(^^) 朝方、寒くて目が覚めて、寝袋の紐を締めて潜り込んでしまいました。すこしくしゃみが出ました。風邪を引かないようにしたいと思います。

 

 

          *                 * 

 

 

『第4産業革命』の4章の続きです。 

 

 

 もうひとつの貧困は、デフレ型貧困です。

 

 デフレの原因を人口減少に求める人がいるが、デフレと人口減少とは関係がない。ただデフレが長期間続くと、国民の所得が下がり、結婚や出産が減り、少子化になりやすい。日本の江戸時代はデフレで人口が増えなかった。アメリカの大恐慌の1929年も出生率が25%も減った。「デフレになった国が、少子化になり、人口が減る」ことはあるが、逆はない。人口減少がデフレの原因になったことはない。

 

 デフレの原因はバブルの崩壊。

 生産に投資するために銀行からお金を借りて、土地を買ったりするのはかまわない。

 バブルとは土地の値段が上がるのをみて「投機」目的で買うことだ。投機が投機を煽って、土地の価格が上がる、それがバブルのプロセスである。

 バブルの対象は別に土地でなくてもかまわない。なんでもいい。ゴルフ会員券もかって投機の対象になった。

 

 問題はバブルが崩壊することではなく、資産価値の暴落によって借金だけが残ること。

 借金を抱えた者は一斉に「借金返済」を始める。

 また、将来不安に陥った人びとは銀行預金を増やし始める。

 そのことによって「消費・投資」が激減する。銀行預金を増やしても、これは消費でも投資でもないため、誰の所得にもならない。

生産=需要=所得の3つは、必ず同じになる。(P42)

            (という定義を、思い出そう)

 この状態で政府が緊縮財政に走ると、100%の確率でデフレになる。

 

 バブル崩壊後、国民が借金返済や銀行預金走り、消費や投資を減らしている状況で、政府が政策的に「消費増税」などで消費を抑制する。さらに、政府の投資である公共投資(公的固定資本形成)を削減する。その国の「所得不足」は悪化し、国民はモノやサービスを買えなくなる。

 すると図2-1の生産者は、自分たちが生産したモノやサービスを購入してもらえず、 しかたなく値下げに走る。値下げをすると、顧客は喜んで買ってくれるが、生産者は以前と同じモノやサービスを生産したにもかかわらず、みずからの所得を小さくしてしまう。

 企業の損益計算書でいえば、単価が下がり、粗利益が減る。ただ、それだけのことだ。損益計算書において、粗利益(=売り上げ-売上原価)は、企業が生産した付加価値=所得の金額とほぼ等しい。

 値下げにより企業の所得が減ると、従業員の給与も下がってしまう。給与が減った人びとは、モノやサービスを購入するのをためらうようになる。すると、そのモノやサービスを生産している生産者が困ってしまい、値下げに走る。と、所得と物価が悪循環を描いて進行していく現象が「デフレ」なのだ。

 デフレ下で国民の実質賃金が下がっていくと、「社会にモノやサービスがあふれているにもかかわらず、所得不足の国民は買えず、貧困化する」という、摩訶不思議な現象が発生してしまう。現在の日本が、まさに典型だ。(P145~146)

 

  インフレ型貧困では、物価上昇を受けて給料の額面は増える。だが物価上昇率がはるかに上回るため、実質賃金が下がり貧困になる。

 デフレ型貧困では物価が下落する。ところが物価を上回ペースで所得が落ち込み、けっきょく、モノやサービスを買えなくなる。これも実質賃金が落ち込む。

 

 デフレ期の企業は資本(工場、機械設備、運搬車両など)や、労働者を削減して供給能力を減らすことで生き残りを図る。

 国が適切なデフレ政策をとらないと、供給能力が削り取られていく。そして経済力が弱まる。最終的には「国民の需要を満たせない」ところにまで落ち込む。そうすると「インフレ型貧困」に陥ることになる。

 

 デフレ型貧困は、政府の需要創出策で脱却できる。

 インフレ型貧困を救うには生産性の向上しかない。技術がその「要」だ。

 

 経済を成長させる3要素。「モノ」「ヒト」「技術」。

 モノ=資本、ヒト=労働、技術。

 

 18世紀の産業革命以降、資本を投資して、インフラや工場を整備して、技術によって生産性を上げることが出来るようになった。

 そして「資本が資本を生産できる」ようになった。

 

 資本主義の世界では、生産活動という「経済」に資本や技術が投じられることで、全体の生産規模(GDP)はもちろんのこと、労働者1人当たりの生産物=所得を継続的に拡大していくことが可能になった。すなわち経済成長だ。経済成長とは、資本や技術を拡大する「投資」によりもたらされる現象なのである。

 生産要素の一つである資本を、生産出来る。まさに、これこそが資本主義における最重要概念だ。土地は戦争でも起こさないかぎり、増やすことができない。それに対し、インフラや機械に代表される資本は、技術開発や生産活動により増大させることができる。というよりも、そもそも産業革命期のイギリスにおける技術開発投資は、機械や紡績機など「資本」を生産するために行われたのだ。(P165)

 

資本を生産するためには「技術」が必須となる。技術力が強化され、生産のために必要な資本を「生産」していく。資本が資本を生み、生産力が上昇していく。すなわち、「資本主義」そのものである。(P198)

 

〈歴史を見れば……〉

 帝国主義となった西欧の資本主義によって、インドを始め世界の国々は植民地化され、収奪と抑圧によって多くの人々が殺された。アジアでは日本とタイだけが植民地にならなかった。タイはフランスとイギリスの力のバランスの緩衝地帯として残された。

 日本が植民地にならなかったのは、はすでに西欧に対抗する自国の生産力があったし、支配を免れる気風があったからである。その証拠として、明治維新によって技術革新を行い西欧と肩を並べるまでになった。

 

 戦後の復興は目をみはるものだった。戦争によって資産は失われても、生産能力の蓄積があったからである。

 高度経済成長はまさしく生産性の向上によって行われた。厳密には「生産性を向上させるための資本や技術への投資」である。

 当時の日本はインフレ率が5%だった。需要が供給を上回っていた。「生産性の向上しか道はない」と企業経営者が、政治家が、国民全体が考えたからである。大々的な設備投資が行われた。人手不足だったが、国際的には冷戦構造だったため、外国人労働者を入れることはなかった。自国で人手不足を解決するしかない。そのため技術に投資した。「公共投資」によるインフラが整備された、それで成長できたのである。 

生産性向上とは、生産者1人当たりの「生産」の増加である。生産性向上で生産者1人当たりの生産が増えると、「生産者1人当たりの所得が増える」のだ。(P195)

 

 5章 次の産業革命を実現する日本の戦略

 産業革命とは何か。

第1次……18世紀半ば以降の蒸気機関の発明による工場制機械工業の発展。

第2次……19世紀末以降の電気、石油による重工業の発展。

第3次……20世紀末以降のインターネット技術の発達による情報革命。

 

  AI やロボット工学の発展で、将来は人間の労働が不要になる可能性がある。 

 限りない生産性の向上によって供給能力が需要を上回る。シンギュラリティ・ポイントが迫っている。 

 ニューロコンピュータや遺伝的プログラミングディープラーニングにより、「人間並みの判断」を提供できるまでに進化したAI 、あるいはAGIこそが、もちろん第5次産業革命におけるGDPになる。(P210)

 

  • サービス業における生産性の向上のための投資が肝。それで日本は第4次産業革命をリードできる。
  • 消費税増税は見送る。
  • いまは国債をマイナス金利で発行することが出来る。国債を発行して、インフラ整備や技術開発投資をするべきだ。
  • インフレギャップに陥っている分野――人手不足になっている介護、医療、保育、農業、運送業を政策の対象にせよ。
  • 移民は生産性の向上を妨げる。
  • 生産性を上げるための資本や技術への投資こそが、資本主義の原点。
  • 未来予測。ジョージ・フリードマンは『続・100年予測』で「次の10年は、技術が必要に追いつかない時代になる」と述べている。
  • グローパルの波に飲まれた日本企業は円安期にも海外投資を増やしている。日本の実質賃金は下がっている。
  • 政府は技術開発やインフラにもっと投資すべきだ。
  • 人手不足が始まった今がチャンス。
  • 新技術で生産性を上げよ。
  • 日本は技術を開発できる。

 

 

           *                 * 

 

 以上が『第4産業革命』を読んだ、自分なりのまとめです。 

  • GDPとはなにか、その意味するところがわかりました。
  • 生産性向上が資本主義の肝であること。
  • そのために技術開発が重要であること。
  • 経済学で〈失業者〉がどう定義されているかもわかりました。

 経済学は、企業が〈儲ける〉ことを中心にしている気がします。

 成長がないと、儲けることができない。そんなシステムです。

 資本主義は人間の欲望に基づいたシステムなので、格差を生み出すのが当たり前ですが、それでも、ある程度に止めておかないと、社会が荒廃すると思います。暮らしが成り立たなくなると、犯罪に走るのが人間ですから。

 

  将来は人間の労働に頼らないで、生産できる時代が来るでしょう。人の労働は必要でなくなる。ロボットが生産の主体になる。

 そのときには、経済学が変わっていくはずです。たぶん経済という、金の力で人間を支配するということが、意味を持たなくなる。

 それでも、人に欲望がある限り、違う形での支配が始まるということでしょうか……

 

 

  明日は『僕はなぜ小屋で暮らすようになったか』を読みます。

 

………………     ………………     ………………     …………………

 

 読んでいただいて、ありがとうございました。

 誰もが、穏やかで平和でありますように。