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  66歳 日の記し /          ☆。(´・ω・`)/ 。゜★・ ☆彡

社会の底辺で生きて来て55歳で世間と断絶を決心してから独りです。寂しいのでブログを始めました。思うことなどを書きます……仏教を生きる指針にしているのでそれも。リンクを貼らせていただくサイトの方には感謝しています。m(_ _)m

映画「日本のいちばん長い日」の感想 / 三好豊一郎 沢村光博 生野幸吉

 おはようございます。

 今朝は、昨日一昨日に比べて温かい。平年の気温に戻ったようです。寒波はいちおう過ぎたみたい。

 この三日間、お風呂に行く以外は外に出ませんでした。前のスーパーに焼酎を買いに行ったけれど……どうもお酒は止められない。酔うほど飲まなかったらいいか、と思うことにしています。寂しさみたいなものは人生について回るし、癒やすのは簡単でない。ぼくは自分なりの仏教徒で、心はコロコロ変わると知っていますが……

 

 映画を観ました。「日本のいちばん長い日」

eiga.com

 

 見応えがありました。静かに熱く描かれたドラマだった。登場人物が生きていた。すごくよかったのです。

 特に昭和天皇を演じた本木雅弘の演技が冴えていました。戦争終結の御聖断にすべてのテーマが言い尽くされている。戦後、日本が歩んだ道も昭和天皇陛下の言葉によって予感されるのです。

 以前作られた同じタイトルの映画も観たことがあるんですが、今回のほうがずっとよかったと思います。前のが「劇」だとすると、今回は「ドラマ」です……今回のほうが登場人物に共感できる部分が多かった。

 

 印象に残ったのは───混迷する会議の休憩の時間、カメラが窓から外を写すと、女生徒が竹槍訓練をしているシーン。

 

 国体の護持を目指す青年将校たちが決起します。その気持ちがわかるのです。

 阿南陸軍大臣が切腹するシーンも美しかった。

 

 深く思ったことは……

 戦争というのもひとつの大きな〈観念〉の流れであって、それを止めるにはもうひとつの観念〈戦後処理はどうするのか〉という当たり前の日常的な、熱狂を放棄した議論が必要なのだ、ということです。

 

 映画を観終わって……中東で戦争が続いていることを考えました。

 

 中東の紛争も当事者の国のあいだで戦後処理の議論が始まらないと、止められないでしょう。

 戦争よって生まれた難民は、周辺国へ戦時下でないヨーロッパに流入し続けるでしょう……戦争が限定的であるなんてことはなくて、誰でも巻き込まれる……テロも起こる……当然の結果だと思います。

 

 戦争を主導しているほうは、コントロールできると思っていて、そこから利害や儲けを得ようとしているんでしょうが、それだけでは終わらない。戦争をしている者の責任は大きい。

 

 利害や国益の奪い合い、は殺しあってはいないけれど……すでに戦争の前段階なのだと思います。そういうシステムや観念に依存している限り、戦争というのはなくならないな、と思うのです。

 

 平凡な感想ですが……戦争で苦労し悲惨な状態に置かれるのは力のない庶民です。庶民にとっては戦争で得るものなんてない……これだけグローバルな世界だと、平和なところに逃げるのは当たり前の行動だと思います。戦争をしている限り、難民は生まれ続ける。 

 

 戦争を起こした者達は、戦争で苦しむ人達への責任を取ろうとしない……だからこそ、誰かが「もう止めるべきだ」と言い出さないといけない……映画を観ながら、そんなことを思っていました。

 

 

 

………………     ………………     ………………     …………………

 

三好豊一郎

三好豊一郎 - Wikipedia

 

 解説を引用します。

「囚人」は詩集『囚人』の冒頭にある詩である。『囚人』は昭和二十四年の発行で、年譜を見ても、当時二十歳代の詩人で詩集を発行した者はほとんどいない。

『囚人』は四つの部分から成り、最初の部分「青い酒場」には「囚人」をトップとして十四篇の詩が収められている。「青い酒場」は、戦争直後の若い世代を驚倒させ、戦後の詩はこの「青い酒場」から始まるといっても過言ではない。特に「囚人」は戦争末期に作られ、戦後の詩にひとつの象徴的な意味を持っている。

 戦後しばらくたって、サルトル実存主義が風靡したことがある。たとえば、その『嘔吐』の翻訳があらそって読まれた。当時の虚脱した精神状況にそれは訴えたのである。

「囚人」はそれに先立って、当時の若い詩人たちに似たような影響や共感を生んだといったら、いいすぎであろうか。孤独が、そして人間の内面の世界が、このような詩として示されたのは、まさしく驚嘆に値した。

 それはイメージの世界であり、非情の世界である。そこにひとつの心理がある。(P88)

 

 ここでは「青い酒場」「夕映」が掲載されています。

 そしてそれぞれのモチーフに見られるイメージについての解説があります。それは心理的なイメージとしてあり、内面と外面をつなぐものとしてあります。

 

三好豊一郎詩集 (新・日本現代詩文庫122)

三好豊一郎詩集 (新・日本現代詩文庫122)

 

 

三好豊一郎詩集 感想 三好 豊一郎 - 読書メーター

 

 

今週の詩 | 夕映 三好豊一郎

 

http://mitizane.ll.chiba-u.jp/metadb/up/AA11143832/KJ00004164736.pdf(「荒地」派詩人による戦争責任論についての一考察)

 

三好豊一郎詩集 - 雨の日は本を読んでいたい

 

『三好豊一郎詩集』出版記念会 - 岩田亨の短歌工房 −短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎-

 

田村隆一をめぐって (『戦中戦後/詩的時代の証言 1935-1955』に触発されて): 月下の風書

 

ストリートストーリー1

 

 

 

沢村光博

沢村光博(さわむら みつひろ)とは - コトバンク

 

 

沢村光博全詩集 (1975年)

沢村光博全詩集 (1975年)

 

  

詩と言語―意味場とは何か 沢村光博評論集 (1982年)

詩と言語―意味場とは何か 沢村光博評論集 (1982年)

 

 

 ネットでは詩集が検索で出てきても、詩については出てこないのです。

 解説にはこう書かれています。

 沢村光博の詩は、けっして安易に近づけるような詩ではない。それは一貫してカソリック現実主義の立場にあるということに由来しているかもしれない。ここでは詩集『火の分析』から近づきやすい詩を選んで「牛」を取り上げることにした。 

 

  「牛」

いつも ひとつの絶望がわしを襲う……

人間たちは道ばたにわしを認め 指さして

一匹の牛というが

その名前が いったいわしに何かのかかわりがあるのか

わしは 重量のあるくろい物体

不安そうに聴き耳をたてて

神がわしのほんとうの名前を呼んでくれるのを

待っている

わしの取柄といったら その瞬間をじっと待っている

この辛棒づよさだけなのかも知れぬ

           (略)

 

 神がほんとうの名前を呼んでくれるのを待っている存在……しかし、人間は、そういう気持に無関心で、畑で働かし、夜には納屋の暗がりに閉じ込めておくだけなのです。そういうモノローグの詩です。

 ここでは牛をモチーフにしているので理解しやすいのですが、他の詩もおそらく現実存在と神との関係を描いたものと推察できます。コトバンクにあるように、形而上学な詩を書き続けた詩人なのです。

 

 

 

【生野幸吉】

生野幸吉 - Wikipedia

 

 詩人が書いたパウル・ツェランの解説書。

the-cosmological-fort.hatenablog.com

 

 多くの詩人がイギリスやフランスの詩の影響を受けているのに対して、生野幸吉はドイツの詩の影響を受けているらしいのです。リルケなどの。 

生野幸吉詩集 (現代詩文庫 第 1期23)

生野幸吉詩集 (現代詩文庫 第 1期23)

 

  

 この本では昭和21年頃に書かれた「ふなむし」と、以降の昭和39年までに書かれた「ひかりといふひかりが……」「赤でんわ」が掲載されています。ネットでは詩は紹介されていないので、引用します。

 

   「ふなむし」

みちしほと 岩をよぢ

さわわにくるは ふなむし

ありとない背すぢの透明を

岩はだににぶくもつたはせ

あちらから こちらから

盲ひた敵意れては

いとどきにうごめき光る

      (略)

 この詩は単なる叙景詩ではないと解説はいいます。「通常の日常語からは予想されない 世界を形づくっているところがある。」

 

  「ひかりといふひかりが……」

ひかりといふひかりがはしり抜ける

蒼ぞらは不意にあかるくなり

ひとびとは不可解な

どよめくあらしの一塊にみえる……

この透きとほるくうかんに 愛することを

知りそめたこと!

       (一連)

 

「現代の詩では、こういう詩を観念的な詩というようである。もちろん観念の詩ではある。しかも、主観的な告白にみえる。しかし、それにもかかわらず、きわめて感覚的・直接的な詩である。一見主観的な告白のようにみえながら、読者の受ける印象は、一種の客観的な状態である。直接の叫びが、ひとつの意志の状態を、まことに鮮明に示しているのである。」(P99)

 

      「赤でんわ」

振動板に つたわるひびきは警笛ばかり

呼んだきり 女のこえは切れてしまった

くもりびのわが空洞に

いきなり鳴った 告発じみた

これはなんのうながしだったか

         (一連)

 

 解説では、これは「個人の不安ではなく、あるいは気持ちではなく、それは何か未来につながるものであり、不気味な存在そのものに関係するものである。ひかえ目な詩であるので、それらは読者の想像力にほとんどゆだねられている。」と書かれています。

 

 宗教的な背景があるんだろうと感じました。あるいは形而上学的なものを……

 描写が、ずっと主観で成されている……

 詩は、自分にとっては理解できないことも描きます。そういうところがおもしろい、と思ったのです。

 

 

………………     ………………     ………………     …………………

 

 読んでいただいて、ありがとうございました。

 誰もが、穏やかで、平和でありますように。