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  66歳 日の記し /          ☆。(´・ω・`)/ 。゜★・ ☆彡

社会の底辺で生きて来て55歳で世間と断絶を決心してから独りです。寂しいのでブログを始めました。思うことなどを書きます……仏教を生きる指針にしているのでそれも。リンクを貼らせていただくサイトの方には感謝しています。m(_ _)m

「展望 現代の詩歌」(2007年)の吉増剛造・解説から 4

 おはようございます。

 

 P50からは「螺旋歌」についての解説が書かれています。(らせん)と読むんですね、知りませんでした。^^;

 

 この詩集は新しい変化を示しているのですね。

 解説によりますと……

頻繁に付される記号や句読点が、これまで以上に数多いので、あたかも読むという行為よりも絵画的なものへの鑑賞眼に訴えかけようとするものに思われることであろう。これらの詩の姿形には、無作為に見えて、ある理法に基づく均整美もうかがえる。この「ある理法」を言明することは、そして甚だ難しい。つまりは吉増にとっての豊穣なる全体は突き詰められた形式そのものであり、それに組み伏せられるかのようにして書き手と読み手との見えない共同線が存在していることを、感覚的に解する他ない一冊と感得する。(P50)

            (長文の引用をお許し下さい)

 

 これ以降の詩集も(…… や   、)記号が多用されるのですが、そういう意味を持っていたのかと納得しました。「書き手と読み手」とが〈共同〉で作り上げていく、ということ……

 

 ダッシュや句読点の頻出。それらは文字以上に何かを語ろうとする言辞以上の記号としての役割を果たそうとしているような印象をこちらに、与えようとしている。少なくともこの部分の「(…………、)」の沈黙を表す部分においては、あたかもそこが、間のようなものであり、調整空間であるような気がしてならない。(P51)

 

 そして、重要なことも述べておられます。

 

 一つの言語で複数の意味を成そうとする掛詞の発想が、本集にふんだんに見られる。例えば引いた部分で私たちは何の説明がなくてもこの詩句の「(隠岐)」は「息」であることを連想することができるだろう。類例の無いほどの総量の本詩集は、こうして考えてみれば、掛詞とそれをめぐるものの織りなす巨大な装置と言えるのかもしれない。(P52)

 

 なにか、吉増剛造の詩の方法論のようなものがわかった気がします。

 記号にも、言葉にも、読者につながるなにかがこめられている。それは詩人と想像力によってつながっているのかもしれないし、自由に浮遊する言葉によって、つながっているのかもしれないと思えます。

 

………………     ………………     ………………     …………………

 

 この「螺旋歌」は「続・吉増剛造詩集」にも「続続・吉増剛造詩集」にもないので、本から孫引きさせていただきます。m(__)m すみません。

 

 夏のほこりが周囲一面(しずかに)舞い立っていた

 

回遊し、彷徨する、(月に、灰色の柵、……)島の外へ、銀河を傾けて、回遊し、彷徨する。

 

(そして、……、)

 

 とほい、渦巻、(…………、)が、秘かに、つたえて、(…………、)いる、(…………、)沈黙、(…………、)その

……、

 

(碧玉、)(勾玉)にとどく、……、(隠岐)その、……(隠岐)、……の、沈黙と、ふかいときに、ふれて、わ

たしの、傷口は、あたらしくなって行った。

 

………………     ………………     ………………     …………………

 

吉増剛造詩集」(ハルキ文庫 1999年)の解説で、書家である石川九揚というひとは、書家の目から見て、吉増剛造が使う「ノ」や「ゝ」「!」や、カタカナでの〈ハライの力〉を考察して……

「ア・イ・ウ・オ・カ・ク・ケ……」、左はらい「ノ」の筆触の多い片仮名は、「ノ」の化体なのだ。その象姿は、「詞」の壁たる漢詩・漢文に侵入し、割込み、裂け目を入れることによって、「辞」を添える日本語創製の姿に他ならない。片仮名とは、漢詩・漢文に侵入し、割込み、裂理を入れる文字なのだ。(P246)

といわれています。

 

 そういうことを考えると、「…………」や、ダッシュの使用に深い意味を見いだせるのです。

 

(たくさん引用させていただいて感謝しています。自分の考えでは、ここまで辿り着けませんでした)

 

 ところで、明日で読みたい詩人の詩論を勉強することは終わりにします。

〈詩は自由に描いていいのだ〉ということがわかった気がするからです。これからも本を読んだりして学ぶことは続けていきますが……

 そして、時々、ブログを更新するようにしたいと思っています。

 

………………     ………………     ………………     …………………

 

 読んでいただいて、ありがとうございました。

 誰もが、穏やかで、平和でありますように。