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  66歳 日の記し /          ☆。(´・ω・`)/ 。゜★・ ☆彡

社会の底辺で生きて来て55歳で世間と断絶を決心してから独りです。寂しいのでブログを始めました。思うことなどを書きます……仏教を生きる指針にしているのでそれも。リンクを貼らせていただくサイトの方には感謝しています。m(_ _)m

『詩のたのしさ』を読む 4章 リズムの効果 5章 詩のかたち

 おはようございます。

 

「詩のたのしさ」の残りの章を簡単に要約してみます。

 

【リズムの効果───音楽的要素】

  • 日本語の音声的特徴………母音を伴う。独特の音の響きがある。
  • 音数律の存在。七五調。

 ここで島崎藤村「小諸なる古城のほとり」のリズムが分析される。(この詩は学校で習って、今でも口ずさめるほどです)

 宮沢賢治の「原体剣舞連」のリズム分析がされます。また「永訣の朝」も。7音を基調として………作者の心理を表してリズムが作られていることがわかります。読者はリズムに共感し、体験する。

 高村光太郎の「冬が来た」のリズム分析。3音と5音で占められていることがわかる。断定的で勢いがある。それが爽快感を生み出す。

 萩原朔太郎の「艶めかしい墓場」のリズム分析が行われています。

 5音、7音の伝統的な快感を伴う音数の他に、4音と6音の多用。それが一行を20字を越す長く、粘りつく行となって、詩語がかもす、不気味で陰気なイメージと合っているのがわかります。

 

  • リズムは時代を映す。

 いま新しいリズムが生まれています。黒田喜夫「隠された村へ」部分………

おれは不具の手だ

拡がった土地の前にたつ盲だ

おれの閉じた目のうらに土地と短い柄の鍬で耕している父祖たちが見える

暗闇から

「上」とかいた紙をふりかざした男が

空気をかきわけて

走ってゆく

………

      (略)

 

 1行ずつを単位としたリズム。

 

    ………………      ………………      ………………

 

【詩のかたち───創造のよろこび】

 

  • なぜ私達は、短歌でも俳句でもなく、詩の形を採用するのか。
  • 短歌や俳句では歌いきれない内容がある。

 ここで同じ素材を扱ったものがある。

鮟鱇の骨まで凍ててぶちきらる

         (加藤楸邨 句集『起伏』から)

 

   「さんたんたる鮟鱇」(村野四郎『抽象の城』昭和29)

        へんな運命が私をみつめている  リルケ

 

顎を むざんに引っかけられ

逆さに吊りさげられた

うすい膜の中の

くったりした死

これは いかなるもののなれの果だ

見なれない手が寄ってきて

切りさいなみ 削りとり

だんだん稀薄になっていく この実在

しまいには うすい膜も切りさられ

もう鮟鱇はどこにも無い

惨劇は終わっている

 

なんにも残らない廂から

まだ ぶら下がっているのは

大きく曲がった鉄の鈎だけだ

 

 これだけ表現が違います。

 ぼくは村野四郎の詩は読者に親切だと思いますが………俳句が好きな人も多いと思うのです。この本の俳句についての解説を載せます。

 

………よけいなことばは削られ、イメージは煮つめられ、十七文字の厳しい構造が生む詩的象徴性によって、言外のものを充分に暗示するという特性をもちます。それが俳句のすばらしいところですが、同時に泣きどころでもあり、たとえば芭蕉の「閑さや岩にしみ入る蝉の声」という句などは、いまだにさまざまな解釈を生んでいます。つまり表現の単純化によって意味内容が集約された結果、逆に解釈のひろがりを許容し、読者の反応の複雑化をまねいて、ときに主題の把握を困難にしてしまうわけです。ここにも、短歌について述べたような、一句一句の完結性がもたらす "型の拘束"

 があるといえましょう。(P109)

 

 そしてこう続けます。楸邨の句が、現実の社会機構にひそんでいるある種の残酷性を鮟鱇の「ぶちきらる」光景にとらえ、それによって生の悲惨を象徴している………と見ることもできるし………単に、冬の魚屋の店頭の風物詩と受け取っても間違いじゃない………

 

 ぼくは思うのですが、詩は親切なのです。実在という抽象語も使うし、運命、死という言葉で表現する。そこが、詩の魅力でもあるのだと思うのです。

 

 そしてこの本では、様々な詩を引用して、いろんな形、型があることを説明しています。

 口語自由詩は散文詩をも含んだ自由な形式、と著者はいいます。

 そして、千家元麿の「雁」の詩をサンプルに、なぜ行分けするのかについても解説しています。

  • 行分けすることで、一息置いた間をつくるリズム感や、視覚的な効果がある。
  • 詩人が持っている独自の内在律がリズムを作る。

 

   ………………      ………………      ………………

 

 4章と5章を簡単にまとめました。

 

 読んでいただいて、ありがとうございました。

 誰もが、穏やかで、平和でありますように。