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  66歳 日の記し /          ☆。(´・ω・`)/ 。゜★・ ☆彡

社会の底辺で生きて来て55歳で世間と断絶を決心してから独りです。寂しいのでブログを始めました。思うことなどを書きます……仏教を生きる指針にしているのでそれも。リンクを貼らせていただくサイトの方には感謝しています。m(_ _)m

「入門書『詩の作り方』の移り変わり」のまとめ 2 (昭和初期から戦後)

 おはようございます。

 

【3 現代詩から戦後詩の時代へ】

(主知的方向への準備)

  • 井上康文『詩の作り方』(昭和3)………民衆詩派出身の著者。民主主義の詩、社会詩、無産派の詩などの章がある。
  • 富永直樹編『現代詩の作り方研究』(昭和7)………詩人たちの、テーマ別のエッセイ集。
  • 百田宗治『新しい詩の解釈と作り方』………韻文=詩との旧詩観を否定。春山行夫上田敏雄らの実験詩を紹介、あるいは萩原朔太郎をダダの先駆とする評価も。北川冬彦の新散文詩運動とも呼応している。

 

 昭和五年には百田宗治編『詩歌の鑑賞』(金星社-現代詩講座)が出る。これには犀星「俳句鑑賞」、小村定吉「漢詩鑑賞」なども収められ、現代詩だけでなく詩歌としての他ジャンルの抱え込みが見られ、ある余裕が感じられる。

 なお、同書の春山行夫「新興詩の方法論的解説」は、とくにマークしてよい。西欧モダニズムの移植と革新的詩論に気を吐いた「詩と詩論」の春山は、ここでも主知的方法の必要を説き、シュルレアリスムを紹介しフォルマリズムの試みをすすめている。いかにも昭和期らしい変化である。(P244)

 

(革新的展開と反動的指導と)

  • 西条八十『近代詩の鑑賞』(昭和8)………ランボー、ヴェルハーレン、ブルトンコクトーらの感慨詩人の紹介。
  • 白鳥省吾『現代詩の観方と鑑賞の仕方』(昭和10)………中学教科書に掲載された詩作品を解説、批判。
  • 大木惇夫『詩の作法講座』(昭和10)………〈文語・定型・韻律詩〉を否定した新しい詩を批判している。
  • 横山青娥『詩法の研究と推敲』(昭和11)………北山冬彦を批判。

 

 新しい詩が模索される一方で、懐古的な詩観が主張される時代でもあったようです。

 

  • 春山行夫『詩の研究』(昭和11)………旧世代への徹底的な批判。ポエジーとポエムの明確な区別、散文の詩学の新たな展開、フォルマリズムの提唱と主知の主張。

 

(戦後の詩入門書の特色)

  1. 抒情否定の傾向が強められた。
  2. 右に関連して、〈知〉(批評性)が昭和モダニズムの新たな(戦後的)進展という形で活発化。
  3. 技法上のイメージや比喩が、技法以上のもの、思想に繋がるものとして、重視されるようになった。
  4. 〈社会性〉や〈全体性〉への要請が、指導理念に加わり、また詩の理解において〈私〉性が疑問視もしくは否定されたり、前衛的実験の意味が改めて問われるようになった。(P247~248)

 

 (抒情否定)

 小野十三郎『新しい詩の作り方』(昭和25 平和出版社)

  • 抒情を否定するということの意味
  • 「考える詩」とはなにか
  • 愛と憎しみがリズムの性質を変える
  • 「短歌的なものとはなにか」で、短歌的抒情のリズムを激しく否定した。

(小野は数年前に『詩論』を刊行。「新日本文学」に「短歌的抒情に抗して」という文章を発表していた)

 

 

 

(〈知〉・批評精神・リアリズム)

  • かって春山行夫は〈主知〉を唱えた。戦後は、情緒・感傷に流されない批評精神の確立を詩に求めていく。
  • 北川冬彦は『詩の話』(昭和23 宝文館)のなかで、「詩とは動物精気が知性の組織に吸収された状態」と述べた。
  • 村野四郎『今日の詩論』(昭和27 宝文館)の「新即物主義詩論」
  • 壷井繁治『新しい詩の作法』………政治的姿勢から生まれる批評としての想像力、それを孕んだリアリズム表現
  • 小野、井上俊夫、長谷川龍生共著『みんなで詩を書こう』………社会、政治、時代への批評としてのリアリズムの主張

 

 

(思想としてのイメージ、比喩)

  • 西条八十『詩のつくり方」(昭和22 雄鶏社)………「イメージに拠る詩」「比喩や暗喩に拠る詩」
  • 村野四郎『現代詩読本』(昭和30 河出書房)………「心象について」で思想ともいえるイメージの効果の大きさを説いた。
  • 鮎川信夫『現代詩作法』(牧野書店)………論理的に詳細に例示しつつ、直喩、隠喩、イメージとリズムについて説く。
  • 黒田三郎『現代詩入門』(昭和36 思潮社)………比喩が最も現代的な〈批評〉であり、技法の最大の試みであり、思想の集約と書いた。
  • 安西均『やさしい詩学────詩をよむために書くために』………死隠喩、擬隠喩、無比喩(の寓喩)の説明をして、「比喩こそは詩の価値」と説く。
  • 中桐雅夫『詩の読みかた詩の作りかた』(昭和55 晶文社)………「イメージは(諸事物)関係の新しい認識」 

 

 

(社会性、全体性を求めて) 

 平井照敏『現代詩入門』(昭和53 永田書房)には、「トータル・ヴィジョン」なる注目すべき言葉が登場する。戦後詩の指導的存在だった村野四郎らのイメージ重視の詩論に、平井は疑問を投げかけ、音楽性を否定する傾向の、詩としての偏り、歪みを指摘したわけで、造形性も音楽性その他もすべて抱え込んだ詩の方向、すなわち〈全体性〉の道を、考えた。技法の問題にとどまらぬ、世界を変える神話的「能動的な全体性追求の試み」の提唱。言葉の意味の多重性、曖昧化、ポリフォニー的表現などにも言及した。画期的な入門書であった。(P255)

 

 

  • 入沢康夫『詩の構造についての覚え書────ぼくの《詩作品入門》』(昭和43 思潮社)………〈詩人〉と〈発話者〉を同一視してきた、従来の詩のあり方を変え、作者と作品の関係を一変せしめた。
  • 山本太郎『詩の作法』(昭和44 社会思想社)………歌〈音楽的要素〉と、語り〈散文的要素〉の結合を唱えた。
  • 日本現代詩人会編『現代詩作詩講座』(昭和45 社会思想社
  • 金井直『作詩案内』(昭和48 弥生書房)
  • 杉山平一『現代詩入門』(昭和62 創元社

 

 検索するともっとたくさん出てきます。

現代詩入門

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ぼくの現代詩入門 (1982年)

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私の現代詩入門―むずかしくない詩の話 (詩の森文庫 (104))

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現代詩入門 (1977年)

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現代詩入門―戦後詩への招待 (1970年) (大和選書)

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現代詩入門 (1961年)

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 これらが戦後の代表的な入門書です。

 詩への考え方=詩論によって、表現の技術の捉え方が違うのがよくわかります。

 

 けっきょくは、どういう世界を詩に描くのか、ということだと思うのですが………

 

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 読んでいただいて、ありがとうございました。

 続いて第1章を読みます。

 また、8日に。