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  66歳 日の記し /          ☆。(´・ω・`)/ 。゜★・ ☆彡

社会の底辺で生きて来て55歳で世間と断絶を決心してから独りです。寂しいのでブログを始めました。思うことなどを書きます……仏教を生きる指針にしているのでそれも。リンクを貼らせていただくサイトの方には感謝しています。m(_ _)m

『詩的レトリック入門』を読む────反喩の詩 1

 おはようございます。

 

 【7章 反喩の構造────詩的仮構論の試み】のまとめ

(1 言語の階層化) 

 P248に著者はこう書いています。

ここに至って、言語の階層化理論というようなものに、不十分ながらも触れないわけにはいかなくなった。なぜなら、これから対象にしようとしている〈反喩〉の構造をもった詩が、それと関係があることが一つ、もう一つは、詩をその規範性と違犯の関係を軸に、詩的レトリックをことばと意識の運動領域としてとらえる、わたしのような考え方の対極に、それらの試みがあるように思えるからである。

 著者は、「 詩をその規範性と違犯の関係を軸に、詩的レトリックをことばと意識の運動領域としてとらえる」自分のやってきたことと対極の詩の書き方がある、といっているわけなんです。

 

 

 P249では、竹内芳郎の階層化理論の文章を引用、紹介しています。本での引用部分だけではよくわからないので………

 

  ここに著書のまとめがありますが………難解です。

 

 竹内芳郎の階層化された言語とは、

第一次層(基底言語)………………〈日常言語〉

第二次層(広義のメタ言語)………〈文学言語〉

    (狭義のメタ言語)………〈論理言語〉………〈科学言語〉

                      ………〈哲学言語〉 

という階層になるらしいです。

 

 竹内芳郎の文章にイェルムスレウが出てくるので……… 

 

 

 竹内芳郎はイェルムスレウを批判しています。

 

 けっきょく学者がする研究は、物事を正確に定義しなければならないという宿命のために、分類、構成を繰り返し、そのために次々と概念や用語が増えてしまうのでしょう。そのために、重箱の隅をつつくような議論に陥ってしまうのではないかと、ぼくなんかは思うのですが………

         ………………     ………………       ………………

 

 著者も竹内芳郎の〈日常言語〉の概念を批判しています。

P251

 わたしに言わせれば、〈日常言語〉は〈基底言語〉なんかではない。いやそもそも言語に、〈基底言語〉などという階層化された実体はない、とみるべきだろう。あるものはフィクションとしての規範性(ラング)であり、発話者はそれぞれの言語の場面やジャンルに応じて、少しずつ異なる規範の在り方を媒介して発語するために、底に日常のおしゃべりことばが現象したり、政治的なことばが生まれたり、小説のことばになったり、詩のことばになったりする。しかも、それぞれの規範の在り方は、共同の言語規範として重なっているために、その境目はあいまいであり、〈政治言語〉〈小説言語〉〈詩的言語〉なるものが、階層としてアプリオリに存在するわけではない、と思う。

 

〈日常言語〉を想定するとしたら、それだけで詩を作っている例として、草野心平の詩を引きます。

さむいね。

ああさむいね。

虫がないてるね。

ああ、虫がないてるね。

  

 竹内芳郎は「日常言語を空無化し、それを否定的媒介とするのでなければ、文学言語は生まれはしない」と書いているらしいのですが………著者は、この日常的な挨拶ともいえるものが詩になっているではないかと指摘しています。

 つまり〈階層化〉という概念上に〈文学言語〉があるわけでない。

 

 ………詩人のなかにも、詩とは詩語で書かなければならぬとか、〈詩的言語〉を実体化して考える傾向が割合ひろく認められる(文芸批評家の著作にも『詩的言語』という書名があった)ことを思えば、その根拠を突き崩す意味があるかも知れない。しかし、そのことよりも、ここでわたしが思いついているのは、岩成達也『詩的関係の基礎についての覚書』に、主要に認められる考え方と、この階層化理論がどこかでつながっているように思えるために、そのわかりやすい前提として、いくらかことばを費してみたのである。(P253)

 と、書いています。 

詩的言語 (1968年) (晶文選書)

詩的言語 (1968年) (晶文選書)

 

 

 そして(2 コノテーションの構造)の節に続きます。

 

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 読んでいただいて、ありがとうございました。

 また、明日。