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  66歳 日の記し /          ☆。(´・ω・`)/ 。゜★・ ☆彡

社会の底辺で生きて来て55歳で世間と断絶を決心してから独りです。寂しいのでブログを始めました。思うことなどを書きます……仏教を生きる指針にしているのでそれも。リンクを貼らせていただくサイトの方には感謝しています。m(_ _)m

物語る位置

 おはようございます。

 

 以前に「わたしはあんじゅひめ子である」や「河原荒草」など読んだことがあるのですが、そのときは、これは詩なの? という感じで、よくわからなかったのです。今回、伊藤比呂美さんを読みこんでいますので、また違った感想を持てるかもしれないと思い、昨日、市立中央図書館に予約しました。

 他に予約した本は、「コヨーテ・ソング(SWITCH LIBRARY)」「とげ抜き -新巣鴨地蔵縁起」「新訳説経節小栗判官・しんとく丸・山椒太夫」「読み解き『般若心経』」「文字所有者たち -詩、あるいは言葉の外出(瀬尾 育生/著)」です。

 本を借りることが出来て、読みましたら、思ったことをUP していきます。

 それで、しばらく伊藤比呂美さんの作品から離れることになります。鈴木志郎康さんの詩集を借りているので、そちらのほうを読んでいきます。よろしくお願いします。

 

………………       ………………      ………………      ………………

 自筆年譜によると『のろとさにわ』(上野千鶴子との共著)は1991年に出版されています。それ以前1984年に「北米先住民の口承詩に夢中になる」と書かれていますし、1990年には「説経節に夢中になる」と書かれていますから、これらの影響を受けて詩のスタイルが変化していったと思います。

 

 現実からポエジー(詩)を取り出す、のでなく

      ↓

 物語りとしての現実を捉える、というスタイルに変わっていった。

 

 ………………       ………………      ………………      ………………

 

 その『のろとさにわ』から「まよらな、いのんど、まんねんろう」を読みます。

 

マジョラム(まよらな)

ディルウィード(いのんどの葉)

ローズマリー(まんねんろう)

GABAN / オンラインカタログ / コリアンダー(こえんどろ)

GABAN / オンラインカタログ / メース(肉荳蒄、にくずく)

フェンネル - Wikipedia

         いずれも香辛料です。

 

 

他人と抱擁する快感があまりにも強いので

何もほかに欲していません 

 という魅惑的な言葉で始まります。

わたしに養われる人たち(10行目)

風邪をひいた

と男が言った

………

………

わるい鼻にわるい喉にわたしの乳や唾をふりかけて(18行目)

健康な器官をとりもどすよう

なでさすってやりたい

甘い歌声はそこに

  男の世話をする。

 そして

わたしの子も風邪ぎみだ

最後の子はあと追いがつづくし風邪も長びく

乳首をつまむくせもなおらない

つままれる乳首は痛い

しなびていてひとしずくも出ない

老いる

たしたちは老いる

きたるべき閉経

………

 と、続きます。

 ここに、語る者(シャーマン)としての作者がいます。

 物語の萌芽が感じられる………

 

 この後、姉たちが子どもを育児する描写が続き………

三九歳のときに最後の子を産みたかったとわたしの姉は言った(43行目)

五歳年上の、いっしょに育った姉である

あの男を見たときにそう思った

腋にマサカリをはさんだ男

腋にマサカリをはさんだ鼻輪をつけた男

なんとか性交しようと画策したけれども

会えたときには、産む欲望はうすれてしまった

姉の産んだ女の子たちはとても大きい

わたしの妹の夢は

一生放浪をつづけて

さきざきの土地で土地の男たちの子を産んでいくことだ

土地に子をばらまく

………

  子を産むこと、育てることがテーマであるとわかります。

 

子を産みあげたらわたしは(65行目)

姉や妹といっしょに暮らすことにする

性的に触れあいたければ触れあうし

性交したければ外に出て性交してくる

そういう約束がある

わたしは姉妹と食べ

話し

黙っている間にも存在する相手

抱きあって

その寝息を聞く

 で、終わるのです。

 

 骨組みだけ抜き出してみました。ひとつの母系家族の物語りといえないでしょうか。

 後の作者の詩を読んでいるぼくには、詩人が「物語る位置」に立ち始めた、と感じたのです。

 

………………       ………………      ………………      ………………

 

 読んでいただいて、ありがとうございました。

 明日は、ぼくの好きな鈴木志郎康さんの詩を読みたいと思います。