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  66歳 日の記し /          ☆。(´・ω・`)/ 。゜★・ ☆彡

社会の底辺で生きて来て55歳で世間と断絶を決心してから独りです。寂しいのでブログを始めました。思うことなどを書きます……仏教を生きる指針にしているのでそれも。リンクを貼らせていただくサイトの方には感謝しています。m(_ _)m

石垣りんの詩………(考え中心の詩)

 おはようございます。

 石垣りんの「表札」を読みます。

 何故かというと、昨日の〈詩をかくときのフォーム〉の、

1 〈詩のスタイルを選ぶ〉

     ↓

2 〈考え中心の詩〉

     ↓

3 〈日常の常識的な言葉を捉え直す〉

 

の、テキストとして最適だな、と思ったもので。ごめんなさい、悪利用だったら、すみません。(そして、サイトの方、ありがとうございます)

 

       「表札」   石垣りん

自分の住むところには

自分で表札を出すにかぎる。

 

自分の寝泊まりする場所に

他人がかけてくれる表札は

いつもろくなことはない。

 

病院へ入院したら

病室の名札には石垣りん様と

様が付いた。

     ………(略)

 

 この詩は〈表札〉というものを考察しているんです。

 四連は、(「旅館に泊まっても/………/………やがて焼場の鑵にはいると/………」)と続きます。

 名前の下に〈様〉や〈殿〉が勝手につけられ、それを拒むことが出来ない世相、常識を問いなおしています。

 だから、最終連は(「精神の在り場所も/ハタから表札をかけられてはならない/石垣りん/それでよい。」)となります。

 人が立場で異なった取り扱いをされるのではなく、本来持っているその人のまま生きられる場所を、表札というものをモチーフに、探しているのです。

 読みやすくて、深い。いい詩だと思います。

 

  石垣りんさんは2004年に亡くなられています。ご冥福をお祈りします。

 

     「着物」

犬に着物をきせるのは

よいことではありません。

 

犬に着物をきせるのは

わるいことでもありません。

       (略)

 

 この詩の全部はリンクから読んでください。(サイトの方に感謝です)

 

  ものすごく普通の、やさしい言葉でこれだけ本質をついた〈こわいこと〉が歌えるんですね。すごい。たんに犬に着飾らせて散歩している人を見て、思いついた詩ではないような気がします。

 年老いた扶養家族を抱え、戦争や生活の苦しみを生きてきた石垣りんは、犬に服を着せることに素直なショックを感じたんだと思います。自分の切羽詰まった生活がある一方で、それとは関係なしに生きる人がいる、他人というか、現実というものの発見です。

 その新しい視点を発見したときに、自分も含め、人間のやっていることをユーモアをもって見る余裕ができたのだと思うのです。

 何度も読み返したい詩ですね。

 一度読んだら、忘れられない。

 

 ひとつのモチーフにを前にして、描写に比重をかけるのか、自分のメッセージに重きを置くのかは、迷う問題かもしれません。でも、いい詩は、それらのバランスがとれていると思います。

 

…………………………………………………………………………………………………………………………………

 

 石垣りんの詩は、ネットで たくさん読むことができます。どれも心にしみる詩です。生きる勇気が湧いてくる詩です。年をとったから、そう感じるのかなあ。

 

 では、また、来週に。 

 詩のスタイルを探しに行きます。