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  66歳 日の記し /          ☆。(´・ω・`)/ 。゜★・ ☆彡

社会の底辺で生きて来て55歳で世間と断絶を決心してから独りです。寂しいのでブログを始めました。思うことなどを書きます……仏教を生きる指針にしているのでそれも。リンクを貼らせていただくサイトの方には感謝しています。m(_ _)m

「抵抗と表現」を読む 5

 社会派と著者が名づけた詩人たちの評伝を読んでいます。

岡本潤────変わらなかった詩人

 岡本潤のウィキペディアです。

 19歳で(1920)、日本社会主義同盟に参加するなんて早熟だ。大正、昭和の初期には、社会変革を待望する気分があったのだろうし、社会主義思想を持った人が活動する余地もあったのだろう。治安維持法制定で息の根を止められるのですが。

 戦後、アメリカの狙い通りに、日本が民主主義的な国になったのは、そういう戦前の変革への、やり残した思いもあったのだろう。それで敗戦からすんなりと体制が民主主義というものに変わった。弾圧されていた共産党は、GHQに解放されて、熱狂的に迎えられたと思う。それでもアメリカの政策は共産主義を封じ込めるほうに動いた。コミンテルンが「日本革命を起こせ」と命じたんだから、当然、混乱する。1950年頃は、世界が、共産主義か資本主義かで揺れていた時代です。

 

 1989年にソビエトは崩壊する。共産主義はけっきょく、人民のものでなく権力者の独裁でしかなかった。マルクスレーニン主義は理論的にも破綻していると思う。

 

 ところで1992年に書かれたこの本は、プロレタリア詩の歴史を、現代から批判する視点で書かれています。

 詩のプロパガンダ的な利用や、政治主義が批判された後になにが残るか、知りたいのです。

 

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 著者は1950年1月に『新日本文学』に掲載された岡本潤の「デレヴヤンコ中将の手」という詩を批判します。

この手は

人民の血に汚れた手ではない、日本帝国の将軍の手のように。

世界から圧制と戦争をなくそうとする

社会主義の国、

原子力を自由と平和の建設につかう

かがやかしいソヴェト同盟の軍人の手だ。

        (二連)

 

  • 今日、この詩をよんでみて、ばかばかしい気持ちがおこるのはとどめようがない。東欧で自由を求めた人民を戦車でなぎたおしたのがどの国だったか、チェルノブイリで他のどこも起こしたことのない規模で人民を傷つけたのがどの国だったのか────いまではいささかパターン化してしまったいい方になるが、ともあれ岡本の詩がかかれたあとの歴史は、真実を白日のもとにさらしてしまった。
  • 詩としての問題はこの手法にある。………はたしてほんとうに対象をとらえたものであったかどうか。そのためには詩的主体をもって現実にたちむかい、掘りさげ、生生しい実体をえぐりださなければなるまい。………描写というにはあまりにも浅いところでとどまっている。
  • なぜこのように、対象にどこまでも迫っていく姿勢が乏しいのか。それは観念優先の手法からきていると思われる。つまりソ連は正義の国であり、だから中将は人民的であるという考えがまずあって、それを展開するのに役立つ範囲で対象が表面的に見られるにすぎない。

 P106~は、岡本の戦争詩の特徴に触れています。

  • 描写的なものをとりこみながら、しかし基本的には戦争を肯定する思考が流れている詩が、岡本の戦争詩では目立つのだ。
  • そして詩をささえている観念性。その観念の内容は、戦争詩が皇国万歳、そして一方はソ連万歳といった違いがあるわけだが、現実とのへだたりという点では、ひとつにくくることができる。敗戦を境にして、戦争詩人は革命詩人に変わったのだが、詩の手法としては断絶はないのである。

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 すでに批判は尽くされていると思います。

 

『野の学舎』のサイトにある「罰当たりは生きてゐる」を読みたいと思います。(サイトのかた、感謝します) 

 

 

(これ以下は自分の勝手な感想と詩の分析です。自分が詩を書くときのために、すでに高い評価を受けている詩を、勉強するためのメモなのです。素人が偉そうにしているようにみえるかもしれませんが、トンチンカンで間違っていても赦していただくようお願いします。)

【モチーフ】

  • 罰当りな自分

【テーマ】

  • 母への感謝と、罰当りで生きていく決意

【構成】

 【起】………学問をさせたかった母

 【承】………学校 命令への反抗 罰当りな自分

 【転】………社会の風習への反抗へと大きく広がる

 【結】………母への呼びかけ 決意

【スタイル】

  • 散文的 物語的
  • モノローグ(語りかけ)
  • 過去───現在───未来の視点 構成的だ

 

【表現・技法

  • 人生をまとめた平易な表現
  • 「罰当り」と自分を規定しているのはわかりやすく、世間が受け入れ易い。共感を呼ぶ。ただ大衆におもねっていないか。自己イメージが安易で浅い。
  • 罰当りという観念的イメージに頼っている。
  • 全体的に表面的 「善良な社会の風習」に反抗する自分は、正義か?
  • 構成的なのはよかった 
  • 母のイメージも画一的だが………
  • ………った、の語尾のリズム感
  • 描写がない 説明ばかり

 

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  明日もこの本の続きです。ネットで詩が探せない詩人は、評伝をまとめます。

 では、明日。