読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

  66歳 日の記し /          ☆。(´・ω・`)/ 。゜★・ ☆彡

社会の底辺で生きて来て55歳で世間と断絶を決心してから独りです。寂しいのでブログを始めました。思うことなどを書きます……仏教を生きる指針にしているのでそれも。リンクを貼らせていただくサイトの方には感謝しています。m(_ _)m

新川和江の詩の世界

 

詩が生まれるとき

詩が生まれるとき

 

  新川和江さんの詩を読みました。

「わたしを束ねないで」という詩で有名な詩人です。

 

 新川和江は歌うように、自由に、等身大の目線で詩を作ります。

 いままで、詩を、「特別に構えて言葉を選んで作り上げなければならない」と思っていた、自分の不明を問いただされた気がします。

 自分の周りに、詩の世界があるなら、身構えることはないのですね。

 自分の目線が詩につながるのなら、無理に世界を作り出す必要はない。まるで日記をつけるように、自由に軽々と、言葉と戯れていると感じます。

 

 

 詩の魂を持っている気がします。

 平明で、普段着の言葉で、願いや、祈りを歌う。それも日常のことの。

 この本は、書かれた詩とエッセイが並んでいます。それで、詩が書かれた状況がわかります。すごく単純(いい意味で)、純粋、素直なんです。言葉が発声される場が。

 じっさいのことは、詩集などの詩を読んでいただくほうがいいです。

 ここで全部を引用できないので。

…………………………………………………………………………………………………………………………………

    「夢のなかで」

夢のなかで

道を訊かれ 教えた

そのひとは疎林の下草を踏んで

わたしの指さすほうへ歩いて行った

       (一連)

P17に載っている詩です。

エッセイを読むと、まったく夢の内容なのです。夢で見知らぬ男に道を訊かれる……それで、いつまでも夢の牢に閉じ込めて、逃げられないようにしたい、というわたしの願望が描かれる。具体的な風景の描写のなかで……

 多くの意味が暗示されるのですが、そうではなく、エッセイを読むと、夢を対象にそのまま描いたものです。詩は、描く美にある、と思いました。意味の押し付けはいらない、読者が勝手に判断してくれるだろうから。

 

「ちこく」という詩は、子どもになりきって書いているし……

 

「『土へのオード13』抄」は、想像の世界を歩き、そこで出会う土と、わたしの思い、を描いている……〈いい土〉は〈いい詩〉のメタファーだと、解説されています。P29

     12

……

……

蒔かれた豆もそのままほったらかしにして

つまらなそうにしている土があった

きっと よく愛されなかった

オオカミかなにかの土なのだろう

……

……

昨夜の雨を途方に暮れさせている

かたくなな土があった

きっと うまく愛せなかった

トゲネズミかなにかの土なのだろう

……

        (部分)

  日常の言葉を使いながら、詩のテクニックにあふれている。

 女の人だから、想像の世界でも、遊び歌うことができるのだろうか。

 

P49 

    「わたしは傷を……」

わたしは傷を

けっしてうたおうとはしなかった

その傷口に貼るチドメグサを探しに

はだしで 雪の中へ

出かけていくちいさな娘だった いつでも

……

          (一連 部分)

 

…………………………………………………………………………………………………………………………………

 思うんですが、5W1H の 文章を書く基本が、きっちりと、詩にも適用され、描くイメージがすごく具体的にせまってくる。それが平明で、わかりやすく、かつ深い世界を作り出していると思えるのです。

 

 たくさん引用したいのですが、新川和江さんの詩についての思いを書けたので、ここまでにします。

 

 また、明日。