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  66歳 日の記し /          ☆。(´・ω・`)/ 。゜★・ ☆彡

社会の底辺で生きて来て55歳で世間と断絶を決心してから独りです。寂しいのでブログを始めました。思うことなどを書きます……仏教を生きる指針にしているのでそれも。リンクを貼らせていただくサイトの方には感謝しています。m(_ _)m

鮎川信夫「現代詩の分析」(1951年)、まとめ

鮎川信夫全集Ⅲの掲載年と出版年。

  1. 現代詩の分析(「日本短歌」1951.5~.9月号)
  2. 「現代詩作法」(思潮社 1955)
  3. 「日本の抒情詩」(思潮社 1968)
  4. 「詩の見方」(思潮社 1966)

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 今日は「現代詩の分析」をまとめてみます。

【現代詩の傾向】

  • この51年の時点で、古い短歌的抒情は否定され、詩人たちが、新しい抒情を創りだそうとしている。
  • 小野十三郎が宣言した「短歌的抒情の否定」がどれほど衝撃だったか……
  • それまでの封建主義、伝統、それらの価値観がひっくり返され、戦後が始まった。抒情を歌うものとされていた詩が、客観的な軸なくして作れないものになった。
  • 現実派・叙情派・主知派とわけて━━━
  • 現実派には小野十三郎の詩「日本放れ」
  • 叙情派には木下夕爾の詩「厨房にて」
  • 主知派には中桐雅夫の詩「新年前夜のための詩」が紹介されている。
  • 中桐も「荒地」派だが、現実の存在感覚をメタフィジックな象徴的手法で描くところに、彼らの世界観がある。

【近代的抒情の性格】

  • プロレタリア詩人や小野十三郎の現実派、対、芸術派の詩。

 

  • 優れた詩は主知的なものと感性的なものが一致していなければならない。

ぼくの描こうとするのは

一本の木です

煮える瓦礫

丘のうえの

焦げよろけ

ねぢれた体験の原形です 

           村野四郎「写生について」(部分)

夜 眠りは一つの泥沼である。

壊疽に崩れた地球の鋭い皺に眠る。

三好豊一郎の、禿頭の、

昆虫針に止められてうなだれた頭。

           三好豊一郎「夢の水死人」(部分)

 

 [ぼく個人の感想]───確かに、世界観と感覚が一致した独特の感性と思う。

 

【近代的抒情について】

  • 「現代には現代の新しい象徴の分野があり、新しい言葉の組み合わせがあり、新しい抒情がある」
  • 北村太郎の「雨」。「素材と情緒と観念が、このようにぴったり融合し、互に調和している作品は珍しい」

春はすべての重たい窓に街の影をうつす

街に雨はふりやまず。

われわれの死のやがてくるあたりも煙っている。

丘のうえの共同墓地。

             ──(略)――

【詩と想像力】

  • 現実はつまらない、このつまらない現実を、如何に面白く見せるか、というのが詩である
  • そこで現代詩の場合では、写実を離れた「詩のリアリティ」が問題となる。
  • 作者の想像力のなかで、対象や素材が、消化される。
  • 詩人の主観を支えるものは、一つの世界観、一つの美学、一つの宗教なのである。
  • デフォルメされる事によって、再組織された別の現実に生まれ変わる。

窓の外にあるもの、

火と石と骨と、

歯と爪と毛髪のなかに刻まれたわれわれの「時」、

驟雨と予感と暗示のなかで、寝台から垂れさがる、

彼女の腕

           田村隆一「正午」(部分)

 

【詩への希望】

  • 現代詩は過去の詩歌から、内容、形式ともに離れ、既成の詩概念は役に立たないものとなったが、新しい要素(詩人の世界観、美学)で描かれることになった。
  • カメラ・アイのように主観を排除した詩も出てきた……
  • 現代詩の面白さは、新しい要素の発見にある。

 

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 詩を書く上で参考になるところを抜き出してみました。

 現代詩が新しい感性で生み出されたのだ、ということがよくわかります。

 

 また、明日。