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  66歳 日の記し /          ☆。(´・ω・`)/ 。゜★・ ☆彡

社会の底辺で生きて来て55歳で世間と断絶を決心してから独りです。寂しいのでブログを始めました。思うことなどを書きます……仏教を生きる指針にしているのでそれも。リンクを貼らせていただくサイトの方には感謝しています。m(_ _)m

「詩の作り方」を読む 4

【詩「紙風船」について】

P113にその解説が書かれてあります。

「これは、僕にとってもっとも短い時間で書き上げて、しかも原形からの変化のもっとも少なかった詩です。数人の子どもたちが紙風船を打ち上げているさまを目に浮かべて下さい。たぶん、そういうイメージが僕の心のなかで、『願いごと』という想念と結びついたとき、だいたいこの詩の構想はできあがったのではないでしょうか。それ以後は、『紙風船をどんなに高く打ち上げても、それは最後には地に落ちる』『願いごとの多くはむなしくはかない』といったようなニュアンスから、どうぬけ出すかが問題でした。自分の創作過程を心理的に分析することなどはとうていできません。しかし、三行目、四行目、五行目とたたみこんだり、『願いごと』のまえに『美しい』を補ったりしたところに、努力の後があるのではないかと、自分では思っています。結果としては前記の否定的なニュアンスを、明るく肯定的なものに変化したと僕自身は思うのですが、そのへんの客観的な評価は、ひとえにただ読者の判断にまつほかはありません」

 

P112に創作の過程についてこう書かれています。

「僕は自分の心に浮かんでくる想念やイメージを、生活のなかで長くあたためるほうです。しかも、定着しようとする時期に、それを原稿用紙に書きとめた場合も、それ以後、書き加えたり、削ったり、しばらくほうっておいたり、順序を入れ替えたりすることが多いのです。したがって、時には全く原形をとどめないということもあります。それぞれの想念やイメージが変化してゆくだけではありません。それら相互の関係も変化してゆくからです」

 

 

【作者と読者】

 ここでは、詩が教科書に載ったので、高校生から質問の電話がかかってきたエピソードが書かれています。

P114

「作者にはもちろんこういうふうなものを書きたいという念願はあります。しかし、それが果たして作品のなかで実現されているかどうか、かんじんのところは作者にはわかりません。作者だからこそわからないのです。作者こそそれを他人にききたいところなのです。作者によっては、自分の念願と自分の作品をごちゃまぜにしているひともいます。自作解説などをよむと、それがよくわかります。

 作品というものは、作者の意識したものだけでなく、意識しないものまで、ふくんでいます。作者はつくるだけでなく、作品を産み出すのです。自分が何を産み出したのか、産み出してみなければわからないようなものが、詩作の過程にはあります」

 

P117

「……目の前にあるのは一篇の詩です。その詩にうたれるからこそ、ひとりの生きた人間である作者の気持や、彼の生きていた時代のことを知りたくなるのです。しかし、作者の気持や時代というものは、詩に反映しています。作者や作者の生きていた時代を知るために与えられているのは、その作品だけなのです」

P119

「詩でも、文学でも、芸術でも、生活の矛盾から生まれて来ます。その作品と、批評、つまり作者の自意識の間にも当然矛盾があります。世の中には、作者の実生活・作品・批評と、すべてが一貫して相即しているように考える、そういう考え方が強いのですが、僕は逆に、一見そうだとしても、それぞれはたがいに矛盾し合っているのだという、そのことを強調したいと思います」

 

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「創作の過程と詩の要素」のまとめにいこうと思ったのですが、なにか中途半端なので、明日にすることにします。

 

 この章では、「詩がどういうところから生まれてくるか」が語られていました。

 ひとつの想念やイメージにいろんな変化が加えられ、詩になるということです。決して、作者が狙ったとおりに出来上がるものではないようです。

 

 大事なのは中心になるイメージなんですね。

 ぼくが前に書いた「猫たち」は───そう考えると、中核になるイメージが希薄でした。全体をぼや~っと描くのではなくて、ひとつのイメージがあって、なぜそうなのかということを描かなければならなかった、と気づきました。

 テーマを、わかりやすいイメージとして提出する、それが大事なのですね。

 

 文中に書かれてある、想念やイメージを温めて、ひらめきが起こるまで待つ、ということ───詩を書くということは、すごく忍耐がいるのだなと思ったのです。