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  66歳 日の記し /          ☆。(´・ω・`)/ 。゜★・ ☆彡

社会の底辺で生きて来て55歳で世間と断絶を決心してから独りです。寂しいのでブログを始めました。思うことなどを書きます……仏教を生きる指針にしているのでそれも。リンクを貼らせていただくサイトの方には感謝しています。m(_ _)m

杉山平一『現代詩入門』を読む 12

「詩の破壊力」の章が──詩とはなにかと、詩を定義すること……
「詩の魅惑と陶酔」の章が──詩を鑑賞することで、その技法や意味を探ること……だったとすると、

「詩の在り場所」の章は、詩はなにを表現しようとするのかを追求している、と思うのです。


【小さきものに詩はある】
P196
「神は細部に宿りたまう、という言葉があるが、顕微鏡で覗いた世界に驚いたり、小さな玉虫の微妙な模様に感動したりするとき、我々の日常気づかない、あるいは、我々の手のとどかないところに、神秘的な摂理が働いていることに思い知らされる。小さな一つぶの露の雫に宇宙が映っている思いであるが、それは、小さきが故に魅力に充ちている」

 ブラウニング「春」
 井上靖「時雨」

P200
「そういう小さいもの、かすかなものに、目を向け、耳を傾けることが、詩の精神である。
 それこそ、日常では見失われがちの小さなもの、日常では見落し、ききもらしているかそけきものの発見、つまり非日常の掘り出しである」

 マイエル「夜のこえ」「歌ごころ」
 立原道造「序の歌」

    烙印     竹中郁

 その心臓の停まる直前
 妻はたしかに「ありがとう」といった
 乾反り葉を揉みくだいたほどの音で

         ──(略)──


 茨木のり子「私のカメラ」
 新川和江「七夕の頃」
 飯島耕一「鉄橋」


   ほそい がらす   八木重吉

 ほそい
 がらすが
 ぴいん と
 われました




P208
「もろく、はかなく消えゆくものへの哀傷は心をたかぶらせる。
 そして、これはさきに落ちこぼれとして挙げた敗北の美も詩の主題になる」

 丸山薫「詩人の友」
 三好達治「青春嘆息」「涕涙行」「一葉舟」

P212
「危うさは、危さや弱さではない、緊張をはらんだ強さとしてとらえられる」

 竹中郁「木精」「水運び」「半身像」


P215
「短い一瞬に大きなものを見ることがある」

 清岡卓行「ある落魄」
 尾崎喜八「お花畠」
 ジャック・プレヴェール「庭」
 まど・みちお「キリン」
 丸山薫「熊に遭った人」
 村野四郎「鹿」
 三好達治「大阿蘇


P222
「永遠には、時間がない。時間を超えてゆく。終わりなく、限りなきものである。それが、小さな、かすかなものにどうして結びつくのだろう」

   論理は溶ける   八木重吉
 
 うつくしいものはかすかだ
 うつくしい野のすえも
 うつくしいかんがえのすえも
 すべては ふっと きえてゆく



P223
「日常、卑俗から最も遠いところ、そこにあるものは詩である」