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  66歳 日の記し /          ☆。(´・ω・`)/ 。゜★・ ☆彡

社会の底辺で生きて来て55歳で世間と断絶を決心してから独りです。寂しいのでブログを始めました。思うことなどを書きます……仏教を生きる指針にしているのでそれも。リンクを貼らせていただくサイトの方には感謝しています。m(_ _)m

杉山平一『現代詩入門』を読む 6

 杉山平一さんの詩への考え方、見方が好きです。等身大の、自分の目で見た、誰にでも直感的に理解できる詩の捉え方だからです。

 他の多くの方の詩論のように、西欧の詩論や修辞学をそのまま奉ったものでないから。
 


【詩はリズムである】

P87
「文学芸術の評価の基本は、生きているか死んでいるかである。巧いけれども少しも心をうってこないものよりも、下手だけれども生きている心をうってくる作物が芸術である。
 詩が文学芸術のエキスといわれるのは、このリズムを命としているからである。少しも技巧を知らない子供の詩が、心をうつことがある」

 あかまるもろた
 三つもろた
 かあちゃん ぼくのじ
 へたやいうても
 あかまるもろた
 せんせいにもろた
 三つもろた


P88
「一番最初に、ヴァレリーの『詩は舞踏である』という言葉を書いたが、ヴァレリーが、散文は歩行であって、意味伝達の用を達すれば終わるのに、詩は、意味を伝達しても消滅しないで、また甦り、無限に自分を成り立たせる、といったのは、このリズムの秘密を解明するからである。新聞記事は一回で終わるのに、詩篇は、幾度となく、読み返されてゆく」


 杉山さんは、リズムとはなにか? と問いかけていきます。

P89
「━━━伝達ではなく、その声調の魅力、リズムのひびきをたのしむ。詩の魅力もそれに似ている。
 言葉の調子とか、声調のよろこびが、重要な詩の基本の一つである」

「詩が意味ではなく、声調の味わいをたのしむことを端的に示すのは、リフレーン(繰返し、ルフラン)というものである」

 そのリフレーンを多用した詩人として中原中也の詩を紹介しています。

 汚れちまった悲しみに
 今日も小雪がふりかかる
 汚れちまった悲しみに
 今日も風さえ吹きすぎる



P93
「リフレーンは、古来の詩がもっともよく使う通俗であるが、それだけに根源的なものを含んでいるのである」

 三好達治の「おんたまを故山にむかう」

 ふたつなき祖国のためと
 ふたつなき命のみかは
 妻も子もうからもすてて
 いでまししかの兵ものは


P94
 北原白秋「落葉松」

 からまつの林を過ぎて
 からまつをしみじみと見き
 からまつはさびしかりけり
 たびゆくはさびしかりけり


「これはイメージのリフレーンを含んでいる。
……イメージの繰返しも、また、われらの生き方のリズムである」


 日々の生活の中で、繰り返されるリズム。そのリズムに合うものが気に入られる。テレビドラマの水戸黄門や映画「男はつらいよ」の寅さん。

 声調の響き━━文語体の心地よさ、についても考察しておられます。



 この項の要約は、
P102
言葉が声になるとき、つまり命を帯びるとき、詩となるのだ
という言葉に尽きるでしょう。